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話題の神宮外苑再開発問題でサザンの桑田佳祐がやれること。

7月7日に予定されている四年に一回の東京都知事選に絡んで、明治神宮外苑の再開発計画の問題が再び注目を集めている。
この神宮外苑の再開発に関しては、一部の市民団体が”樹木の伐採に反対”している。さらに開発主体の一つである三井不動産が、築地市場跡地の開発にも関係していることから、小池都知事との癒着疑惑まで飛び出している。

またこの再開発に対して、世界的音楽家の故坂本龍一氏が反対したことをきっかけに、サザンオールスターズの桑田佳祐氏なども樹木の伐採に反対する姿勢を表明している。

しかし、反対派の主張を見ると、明治神宮外苑再開発計画の本当の問題点を認識していないように見受けられる(または意図的に無視している?)。
ただ単に”木を伐採するな”という主張だけでは、本質的な解決には、ほど遠いだろう。
そこで今回は、開発に反対しているサザンの桑田佳祐氏ができることを紹介してみたい。

開発の問題点

今回問題となっている明治神宮外苑再開発の概要については、多数の報道があるため、そちらを参照してもらうとして、開発に伴う固有の問題を簡単に指摘したい。

宗教法人と政教分離

まず第一の問題点は、明治神宮が宗教法人だということだ。「政教分離」の原則があるため、国や東京都は表立った財政支援ができない。このため明治神宮は再開発費用を自力で調達するしかない。そして明治神宮には金がない。
この難題を解決するために、今回の再開発では、「空中権」を売却して神宮球場の建築費用を調達するという手法が採用されている。ちなみに、この空中権を利用した再開発は、都内の山王神社や東郷神社などでも採用されている最近よくある手法だ。

神宮球場の収入維持

第二の問題点は、神宮球場の収入が明治神宮の収入の大きな柱の一つだということだ。そしてこの収入は、代々木にある明治神宮内宮の広大な杜の維持費となっている。この収入が一時でも途絶えると、明治神宮が財政破綻の危機に瀕してしまうということだ。この野球場からの収入の継続確保が、第二の課題だ。
この明治神宮の「継続的な収入確保」のために、今回の再開発では、秩父宮ラグビー場と神宮球場の「土地のスワップ」という手法が採用されている。この手法により神宮球場からの収入が再開発中も途絶えることがないように配慮されている。巷間言われている「三井不動産銭ゲバ説」とは裏腹に、かなり神社側に配慮した方法だ。そして、この手法を採用したために、神宮球場の脇にある樹木の伐採が必要になったようだ。

木を切らない費用は200億円

では、樹木の伐採を回避つつ再開発、特に明治神宮球場の建て替えを行うには、幾ら必要か考えてみよう。
まず明治神宮の神宮球場からの収入に相当するお金が必要になる。過去の資料によると明治神宮球場からの収入は、年間18億円とある。余裕を見て20億円としよう。そして建築には最低でも5年は見ておく必要があるだろう。そうすると必要な金額は100億円だ。
また神宮外苑再開発の計画が大幅に変更になることから、再計画、再設計には、100億円程度は必要になるだろう。
合わせて大雑把に見積もると200億円は最低でも必要だろう。
もしどうしても樹木の伐採を避けたいのなら、反対派は必要な費用の200億円を用意して明治神宮に寄付すべきだろう。

サザンのチャリティーで200億円

200億円をいきなり寄付で集めようとしても無理があるかもしれない。そこで私が注目したのが、反対を表明しているサザンの桑田佳祐氏だ。
もし桑田佳祐氏やほかにも樹木の伐採に反対するミュージシャンたちが、例えば”チャリティーCD”を発売したらどうだろう。そしてそのCDを例えば一枚3万円で販売するのだ。もし100万人が賛同して購入してくれれば、総額は3万円の100万倍だから目標の300億円になる。CDのプレス費用や郵送代を館得るならもう少し高くしてもいいかもしれない。
そしてこの売上を樹木の伐採を避けることを条件に明治神宮に寄付すればいいではないか。
細かい点を考えると、普通にCDを売り出すと、当然ながら消費税と法人税がかかってしまう。そうなると寄付額が足りなくなるかもしれないが、例えば明治神宮と協力して「御朱印つき」などにして明治神宮への寄付とすれば「非課税」になるだろう。

反対派は建設的な対案を

サザンのチャリティーCDによる寄付集めは、何も荒唐無稽な話ではない。既に報道されている通り、明治神宮外苑の土地は、元々”国民の有志が寄付”したものだ。寄付が行われた100年以上前より、はるかに豊かになった現代日本でできないことはないだろう。
明治神宮外苑の再開発は、計画をきちんと見れば、一部で報道されているような「金に目がくらんだ三井不動産と伊藤忠の陰謀」ではないことはあきらだろう。
それどころか、明治神宮の已むにやまれぬ事情を考慮したプロフェッショナル精神に溢れる、かなり高度な提案だ。
神宮外苑の樹木伐採派は、「ただ反対する」だけでなく、「建設的な対案」を出すべきだろう。
もしCDが全然売れなかったらと心配する人もいるかもしれな。しかし、もし誰もこの三万円のCDに見向きもしなかったのなら、神宮の杜の価値は三万円もしないと都民そして国民の多くが思っているということだ。

サザンの桑田さん、この計画どうですか?


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