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#67 誰でも読めるMTG英語 完成化した battle cry

今回のカード

今回のカードはこちら

《刃砦の災厄、リーア・イヴォール》

今回も「Phyrexia: All Will Be One(ファイレクシア:完全なる統一)」収録の新カードです
名前の「bane(ベーン)」が「破滅のもと」の様な意味で
「Bladehold(ブレイドホールド)」がミラディン次元の地名の「刃砦」です

キーワード能力「battle cry」は、今セットのものでも無ければ常盤木でも落葉樹でもない過去のセットのメカニズムです
では、何故このキーワード能力が付いてるのか、その辺も含めて訳していきましょう

battle cry

では、そのキーワード能力から

Battle cry (Whenever this creature attacks, each other attacking creature gets +1/+0 until end of turn.)

「Whenever」はいつもの誘発型能力である事を示す「たび」
それが「this creature attacks」なので「このクリーチャーが攻撃するたび」

「each」は「各」、「other」は「他の」
それの「attacking creature」なので主語は「他の各攻撃クリーチャー」
「gets +1/+0」で「+1/+0 修整を受ける」
「until end of turn」は「ターン終了時まで」

まとめると
「このクリーチャーが攻撃するたび、他の各攻撃クリーチャーはターン終了時まで+1/+0 修整を受ける」
このキーワード能力「Battle cry」の意味は「喊声(かんせい)」

MTGテキストの中でもトップクラスに読めない漢字ですね
喊声は「味方を鼓舞する叫び声」の様な意味なのでこれも直訳の範囲ですね

そしてこのキーワード能力「喊声」は2011年のセット
Mirrodin Besieged(ミラディン包囲戦)」のメカニズムです
それがなぜ最新セットに収録されたかと言えば、この《刃砦の災厄、リーア・イヴォール》が

《刃砦の英雄》

「Mirrodin Besieged」収録の《刃砦の英雄》が完成化(ファイレクシア化)した姿だからなんです
スタッツやサブタイプなど、2枚を色々と見比べてみると同じ人物なのが良くわかりますね

つまりは、かつてファイレクシアと戦ってた英雄が堕ちてしまったという、フレーバーを優先した能力という訳です
「喊声」自体は非常にシンプルな能力なので、環境に変な影響及ぼす事もまず無いでしょうしね

それにしても日本語だと「完成」と「喊声」で、掛け言葉みたいになってるのが面白い偶然ですね

Mite と 復習 prevent

それでは、下の長い文章の能力も訳しましょう

At the beginning of combat on your turn, the next time target creature would deal combat damage to one or more players this combat, prevent that damage. If damage is prevented this way, create that many 1/1 colorless Phyrexian Mite artifact creature tokens with toxic 1 and “This creature can’t block.”

「At」から始まるのは誘発型能力の「時に」
それが「beginning of combat on your turn」なので「あなたの戦闘の開始時に」

「the next time」は「次に」
主語は「target creature」で「対象のクリーチャー」
「would」は#22でやった動作を変更させる目印で
変更される動作は「deal combat damage」なので「戦闘ダメージを与える」
「one or more」は#14でやった「1以上」なので
「to one or more players」で「1人以上のプレイヤーへ」
「this combat」は「この戦闘中」

prevent(プリベント)」は#25でやった「軽減する」
「that damage」は「そのダメージ」
さっきの「combat damage to one or more players」の事ですね

まとめると
「あなたの戦闘の開始時に、対象のクリーチャーがこの戦闘中に次に1人以上のプレイヤーへ与える戦闘ダメージを軽減する」

ただ誘発した時に行われる動作自体は「対象にとる」だけなので
「あなたの戦闘の開始時に対象にしたクリーチャーがこの戦闘中に次に1人以上のプレイヤーへ与える戦闘ダメージを軽減する」
とした方が分かりやすそうですね


では、続きの文も訳します
「If」はスタックに乗らない「なら」
「damage is prevented」は受動態で「ダメージが軽減される」
「this way」は「これにより」

「create」は#15でやったトークンの「生成」
「that many」は#5でやった「that much」と同じ「その数」
なので、トークンの数は「軽減したダメージ」の数
スタッツは「1/1」、色は「colorless」なので「無色」
サブタイプは「Phyrexian(ファイレクシアン)」と「Mite(マイト)」つまり「ダニ
の「artifact creature tokens」です

「with」と続いてるので、このトークンは能力も持っています
「toxic 1」は#65でやった「毒性1」
「This creature can’t block」はシンプルに「このクリーチャーはブロックできない」


全部をまとめると
「あなたの戦闘の開始時に対象にしたクリーチャーがこの戦闘中に次に1人以上のプレイヤーへ与える戦闘ダメージを軽減する。これによりダメージが軽減されるなら、その数の毒性1と『このクリーチャーはブロックできない』を持つ1/1無色ファイレクシアン・ダニ・アーティファクトクリーチャートークンを生成する」
となります


おまけのhomework と pack tactics

今回のおまけ問題はこちら

《雄叫ぶゴブリン》

「Dungeons & Dragons」のコラボセットである
Adventures in the Forgotten Realms(フォーゴトン・レルム探訪)」収録のカードです
「battle cry」はこのカードの名前では「雄叫ぶ」と訳されてますね

能力語「Pack tactics」は日本語カードだと「集団戦術
本家D&Dの方では「連携戦闘」と訳されてるそうですが、だいたい同じですね
概ね「Whenever これ attacks, if you attacked with creatures with total power 6 or greater this combat,」が誘発条件のif節ルールの誘発型効果です
if節ルールがわからない方は#11を参照してください

では、このカードの効果を出来る範囲で訳してみてください

ヒントとして、「haste」は#10でやりました

訳せたら、各自wiki↓等で答え合わせをしてください

それでは、また次回


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