引っ越し小説①

さまよう40代

引っ越しは、他人の家に入れる唯一の方法。面白い事がたくさんありました。

あくまでも、20年以上の前に自分が経験した事なので、ゆる〜く読んでください。

引っ越しの業務内容。
・引っ越し
・建物内の家具移動
・ゴミ処理
・ハウスクリーニング
・荷物の保管
など。

当時の事なので、今は分かりませんが、ざっとこんな感じです。


 「ブルース」事件
依頼内容 建物内家具移動
料金   時間制
作業員  2名
お客様  50代くらい男性

ある夏の日
到着すると、そこは、二階建ての少し昭和な感じの、古い建物でした。
家の扉が開くと、歯を磨きながら、よれよれの白のタンクトップを着た、男性がでてきました。挨拶を済ませ、家の中に入ろうと男性の顔を良くみると、こめかみ左右両方に1円玉くらいの丸い白い歯磨き粉らしきものをつけて、歯磨きをしていました。
鏡みないと、左右ピンポイントでつける事は
難しく
「ついたんじゃない…つけてるやん!」

カラダ中に旋律が走りました。更に、
ブルース・ウィリスが激ヤセしたみたいな感じのお客様だったので…不安になりながら家の中へ入りました。
一緒に居た先輩に、目でアイコンタクトをとると、先輩は、目を大きくして、鼻を膨らませ、軽く頷きました。

先輩と僕は、ブルースの世界に足を踏み入れた事を、この時に、知るよしもありませんでした…まさか、あんな事が…

「2階の洋服ダンスを1階に降ろしてほしい」と言う事だったので、
2階に上がると、タンスをバラさないと、1階へ降ろせそうになかったので、ブルースに確認しました。
「バラさないと無理そうなので、貴重品や洋服などありましたら、お客さんの方で出して頂きたいのですが…」
貴重品は入っていないと言う事と、洋服はそっちで出してくれ!!と言う事だったので、
扉を開けました!!

なんと!!洋服ダンスの中には…

②つづく。

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