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雲は何色か

今朝の東の空に広がる雲の色は、青色だった。
水色のような、綺麗なブルーだった。
「今日の雲は青いですね」
周りの人たちにそういうと、
「灰色だよ」
と言う。
でも、私にはどう見ても青にしか見えなかったので、
スマホを取り出し、色彩図鑑と見比べてみることにした。
勿忘草色(わすれなぐさいろ)とベビーブルーという色の
ちょうど中間の色だった。
みんなに、青いのは空で、雲は白か灰色に決まってるよ、と笑われたが、
私はとても満たされていた。
私の今日の心は明るいんだと
雲が教えてくれたようで、とても嬉しかった。
そして、「決めつけの世界」から
少しずつ脱出できている実感を得られた。

そう、なんだって決めつけの世界から飛び出してみると、
世界はなんて色とりどりで美しいんだろう。
そしてそれは、他の誰でもない自分の心が決めた、という
充足感につながっている。

そもそも、自分が見えている色と人が見えている色が同じだとは限らないし、
それを確かめる術はない。
自分の中でさえ、日によって気分によって、色の見え方は全く違ってくる。
この世の中に、「正しい」「間違っている」なんてこと自体、存在しない。
この解釈を持っているから分断が生まれてしまう。
そして、行き過ぎたとき、争いに発展してしまう。

「受け容れる」ということは、
雲を見て、白いという人も、青という人も、黄色いという人も、
色なんてそもそもない、という人も、
みんな自分の中の真実なんだから、それでいいんだ、
ということなんだと思う。
それぞれの想いを尊重することなのだと思う。

それにしても、勿忘草色、なんて素敵な響きの言葉なんだろう。
「私を忘れないで」という悲哀とは対照的な、
とても澄んだ清々しい青だ。

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