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カフェオレ広場season3を読んで(その1)

カフェオレ広場season3を尾崎ちょこれーとさんから御恵送していただきました。
忙しい忙しいとなかなか感想に着手出来ていませんでしたが、やっと書き始めました。

今回は「食」がテーマということで、美味しそうな詩がたくさん読めます。
では、敬称略でいってみましょー。

「傘はもういらない」長尾早苗

祖母との思い出を描いた作品。
「(そういえばおかき揚げを最近食べていない)」という気づきがこの詩を書くきっかけになったのではないかと感じた。
きっと語り手は自分のことを泣き虫だと思っていたのではないでしょうか。だから祖母の「気が弱い子はたくさん食べなさい」という言葉に「つよくいきなきゃ」と誓いをたてる。
家族との何気ない日常を思い出しながら、そんな思い出があるからこそ今の自分がある。そう語り手は宣言してみせる。「傘はもういらない」と。


【食】べる 尾崎ちょこれーと

「食べる」という行為は何も食事に限った言葉ではない。人生の喜怒哀楽を誰しもが味わっている。
その「食べる」姿が「浅ましく 卑しく」映ろうとも「生きるため」にはやめることはできない。「繰り返し」ていくしかない。
「今も過去も未来も」「食べる」ことで生きていく。語り手がすべてを「食べ」終えた時、自信たっぷりのごちそうさまでしたを聞きたい。そう願わずにはいられない作品だった。


永久の引き換え 角朋美

嫁入り先の和歌山では柏餅がいつでも手に入る。その喜びを書いた作品だが、語り手はそこから一歩踏み込んで
「失った」ものは何か?と問いかける。
「チョココロネ」と嘯いてみせるが果たして……。

龍の通り道 角朋美

麦畑に風が吹いている。うねる麦の穂は龍が風を連れて通り抜けていったようだ。風が吹き抜ける。その一瞬を切り取った力強い作品。


感想その1はこんな感じ。
続きは次回。

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