人生初|上司が女性になった時の話
今では女性管理職も多く「上司が女性」なんて当たり前になっている。
これは昔々のお話。
私の転職先は海外旅行のカウンター業務。
来店されたお客様にどんな海外旅行を希望しているのかをヒアリングして
行きたい先、予算などに合ういくつかのパッケージ旅行を提案する仕事だ。
私が在籍した会社の関連会社には結婚式を挙げることができるホテルがあった。その関係で半分くらいは新婚旅行のお客様だった。
接客できるカウンターが2つあり、その後ろに目隠し用の壁、その後ろにスタッフのデスクが配置されていた。
接客はカウンターで行い事務的なことや業者との電話などをデスクでやっていた。
その時の上司が女性だった。
私のにとって初めての女性の上司。
とにかくアクティブな人だった。
毎年、ホノルルマラソンに参加している人で
いわゆる「推し」はハリウッドスター。
だから一人でも海外旅行に行く人。
お酒が好きで、よく社内のお酒好きの面々と楽しく過ごしていた。
特に印象に残っているのは、彼女のお昼休みの入り方。
彼女は12時ちょうどに仕事の手をピタッと止めて休憩に入る。
デスクの上には請求書、資料、報告書、ファイルなど広げたままの状態だ。
「乱雑」と言っても過言ではない状態だ。
でも、どんな状態でも片づけることなく整えることなく
広げていた分厚いファイルもそのままに昼休憩に入る。
すべてが「そのまま、そのまま」。
まあ、お客様には一切見えないから問題ないのかもしれない。
そして、ちょうど1時間。
休憩が終わると同時に戻ってきて
1時間前のデスクの「そのまま、そのまま」の状態から
午後が始まる。
彼女の大胆さが新鮮で面白味を感じた。
私も真似してみようと思ったが、
デスクの上だけは少しだけ整えたことを覚えている。
一方で細やかなところもあった。
彼女は旅行の仕事をする前はその会社の電話交換手をしていたと聞いた。
そんなわけで社外電話の対応は素晴らしかった。
私も電話応対は経験があったので尊敬語、謙譲語、丁寧語を使い分け社内外の電話に対応していた。
一緒に仕事をするようになってすぐに、彼女から電話の対応をほめられたのは本当にうれしかった。
それでも、時々電話を切った後に「今の言い方は、こう変えた方がいい」とアドバイスを受けることもあった。
この細やかな指導はその後の私の職業人生で大いに役立つことになった。
人生初の女性上司は
私の職業人生を彩る「キーパーソン」の一人だ。
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