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夏の備前を行く!錦鯉独演会と岡山兵庫の重文巡り!!【錦鯉・岡山城周辺編】

この世には名古屋飛ばしという言葉がある。
アーティストのライブやコンサートなどの公演をする際に、東京から名古屋を飛ばして大阪、そして福岡などで公演をするような事を指す。
読んで字の如く名古屋(愛知)をすっ飛ばして公演をするから、名古屋飛ばしと言われている。

名古屋といえば我が国の三大都市圏の一角をなし、戦前から五大都市(名古屋、横浜、大阪、京都、神戸)としても名を馳せる大都市だ。
愛知県人や名古屋人は大都市としての矜持を持っているので、蔑ろにされてしまうと面白くないのは当然のことだろう。

ただし、昨今はこの名古屋飛ばしの流れも控えめになってきたのか、名古屋もしくは愛知での公演も増えてきているようである。
私が大好きなラブライブにおいても、これまでは愛知で公演をしてこなかった虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が6thライブを常滑市で開催するとしている他、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブも1stライブを愛知県で行うと発表しているのだ。

話が逸れてしまったが、なぜ名古屋飛ばしというものについて言及したかと言うと、今回の岡山訪問はまさに名古屋飛ばしが原因だったからである。

M-1グランプリのチャンピオンであるお笑いコンビの錦鯉が独演会(単独ライブ)を全国ツアー公演するということで、かねてから錦鯉が好きだった私も現地で参加することにしたのだ。
そこで会場を確認したところ、札幌、東京、大阪、岡山、福岡の5都市であり、なんと名古屋が入っていなかったのである。

まさか中部をすっ飛ばされると思っていなかった私は落胆したが、仕方ないので名古屋以外の適当な都市で公演を観ることにしたのだった。
とりあえず札幌と福岡は遠すぎるので真っ先に除外し、車では行きづらい東京も除外することにした。

残るは大阪と岡山だったが、大阪中心部は車でも鉄道でも微妙に行きづらい場所であり勝手が悪いことと、岡山の観光も兼ねたいという意向から岡山公演に参加することに決めたというわけである。




1日目(7月1日)

ひるぜん焼そば

この日は一旦名古屋まで行き、後輩を乗せてから高速道路を岡山方面へひた走った。
山陽道岡山ICを目前に昼食の相談をしており、岡山IC付近の飲食店を探すために一旦瀬戸PAで休憩をとることにしたのだ。
すると、先程岡山のご当地グルメとして見つけたひるぜん焼そばがPA内の飲食店にあることが判明したため、昼食が決まった。

色はやきそばにしては薄めだが、味はしっかりと付いている。
美味しくいただきました。

ごちそうさまでした

岡山城

錦鯉の独演会のついでに岡山市の観光をすると決め、岡山市といえば何かと考えた時に真っ先に思いついたのが岡山城だった。
岡山城は外様の大藩である岡山藩池田家31万5000石の居城だ。
とはいえ、岡山城の天守他大半の構造物は復元されたレプリカであり、当初の構造物は名古屋城などと同様に空襲で焼失してしまっている。

しかし、2つの櫓が焼失や解体を免れて現存していることから、一見の価値があると思い訪問することにしたのだった。

月見橋から岡山城を望む
川を城の防御機構として組み込んでいることが分かる
下を流れるは旭川

この橋は月見橋といい、歩行者専用橋として岡山城と後楽園(岡山藩池田家の大名庭園)とを結んでいる。

廊下門(搦手門)

月見櫓

岡山城に残る数少ない当時の櫓の一つで、月見橋から渡ってすぐに見える場所にある。
天守から見て西側に位置しており、小ぶりながら唐破風の出格子窓も設置されていて美しい。
櫓自体は二階建てだが隅櫓として石垣の端にあるため、外から観るとかなり大きく見える。

城内から見た月見櫓

残念ながら内部を見学することは出来ないが、期間限定で特別公開されることはあるようだ。


不明門

こちらは復元された建造物で不明門あかずのもんといい、普段は閉ざされていたためこの名がついたそうだ。


天守

先述したとおり岡山城の天守は名古屋城や大阪城などと同じく、外観復元された鉄筋コンクリート造の建造物だ。
内部は空調設備とエレベーターが完備された施設となっており、要するに城郭建築風の博物館である
そうは言うものの、美しい外観をしているのは間違いない。

外観が黒く塗られたその姿から、ついた異名は烏城うじょうという。
岡山から遠く東に位置する国宝姫路城が、その白く美しい外観から白鷺城しらさぎじょうと呼ばれている事と対照的だ。
黒塗りの城は江戸時代の初期くらいまでに築城されたものに多く、当初の築城時期が古い事を窺わせる。

なお、天守左側に位置する付櫓のような建物は塩蔵だ。
これは籠城戦になった際に備えて設置されたといい、塩その他の食料品を備蓄していたという。

後楽園を望む

まさか岡山城内部で児島湾の干拓に関する資料を見られるとは思わなかった。


火縄銃

これは馬上筒ばじょうづつといい、火縄銃の一種だ。
銃身を切り詰めて馬上でも取り回しが出来るようにした銃であり、要するに騎兵銃(カービン)である。

第一次世界大戦以降に戦車や自動車といった兵器が登場するまでは、戦場の機動力といえば騎兵だった。
彼らが馬上で使用したのが騎兵銃(日本軍においては騎銃と呼ぶ)であり、意外と近代まで使用されていたのである。

陸上自衛隊新発田駐屯地の史料館白壁兵舎に展示されている日本軍の小銃。
騎銃は歩兵銃に対して全長が短くなっていることが分かる。

こちらは通常の火縄銃で、比べてみるとその長短の違いが分かるだろう。
これらはいずれも持ったり構えたりする体験が出来る。


岡山城旧石垣

岡山城も他の城と同様に増築等がなされており、その過程で地中に埋もれてしまった石垣がある。
その古い時代の石垣が一部見られるようになっているのだ。

なお、私は石垣マニアではないので、これらの石垣に対するウンチクを語ることは出来ない。


後楽園

大藩の城の近くには大名庭園が作られることが多い。
名古屋にある徳川園(尾張徳川家)や彦根にある玄宮園(彦根藩井伊家)、そして水戸の偕楽園(水戸徳川家)などが有名だ。
この後楽園もその一つであり、岡山藩池田家が有していた大名庭園である。

庭園と言っても純粋な日本庭園とは少し違った印象で、広い敷地の中には田畑や茶畑などが見られる。
どうやら築庭を行った4代目岡山藩主である池田綱政が田園風景を好んでいたためらしい。

池の中にある人工島が、いかにも日本庭園らしくて風情を感じる
架橋されているが、建物内部に立ち入ることは出来ない

粉挽などの実用的な用途に用いられているわけではなく、純粋に景観を楽しむために置かれているのだろう。
こういう所にちょっとした贅沢を感じる。

延養亭と呼ばれる藩主の居間であり、戦災で焼失してしまったために戦後に復元された茅葺きの屋敷だ。

鷺(多分)
巨大な岩を切り刻んで分割して運ばせたらしい

慈眼堂

池田綱政が観音像を祀ったお堂だそうだが、門の下を見ると先客がいた。

この鳩さんは何を思っているのだろう

なんと鳩が雨宿りをしていたのだ。
実はこの日は雨が降ったり止んだりしていて、この写真を撮影した時は一時的に止んでいた。
近づいても逃げていかない辺り、結構人馴れしているのだろう。

往来の邪魔にならないような端で休憩するあたりも、どこか人間的で親しみが湧く

ひるぜんジャージーアイス(残夢軒)

蒜山ひるぜんというのは岡山県北部にある高原地帯で、岡山県でも指折りのリゾート地として有名な一帯だ。
またジャージー牛の産地としても有名で、牧場兼レジャー施設であるひるぜんジャージーランドが営業している。

そんな岡山県では当然ジャージー牛を売りにした特産物が広く販売されており、今回後楽園でいただいたアイスクリームもその一つだった。
しかし、驚くべきはその値段だ。
なんと900円もしたのである

アイスクリームの種類は複数あり、その中でも格別高額なものが900円するスーパー・プレミアム・ジャージーだった。
価格が高い理由は岡山県産のジャージー牛乳を使用していることと、マダガスカル産の天然バニラビーンズを使用していること、そして乳脂肪分20%という品質の高さによるものとのこと。

たしかに普段口にするアイスクリームよりもコクがあって美味しく、値段相応の味だったように思う。


錦鯉独演会

夜からは、いよいよ待ちに待った錦鯉の独演会だ。
会場はおかやま未来ホールという場所だったが、なんとここはイオンモール岡山の中にある。
イオンモールなので飲食店には困らないから、公演が終わったら施設内の飲食店にそのまま人が流れるのだ。
施設から出て飲食店を探す必要がないので、公演を観に来た私たちのような者にもありがたい。

ネタの方は非常に面白かったのだが、さらに嬉しかったのは誘ってきてくれた後輩が爆笑してくれた事だった。
お笑いライブに一緒に行った際に同行者が笑ってくれないと、誘った側としては気を遣ってしまうのだが、無事ウケて良かったと思う。

この後輩、どうやら笑いすぎ等で疲れてしまったらしく、なんとホテルに着いてしばらくすると爆睡してしまった。
昨年の錦鯉の独演会「こんにちわ」を観ながら一緒に晩酌をしたかったのだが、その点は嬉しい誤算だったとも言えよう。

結構前の方の席だった。運がよい。

公演終了後、夕食を取るために飲食店を探していたところ、衝撃的なものを目にした。
ニジガク(ラブライブ)のイラストが目に入ってきたのだ。

!?

思えばこの時期にはニジガクとのコラボカフェをやっており、その店舗が偶然にもイオンモール岡山内にあったのだ。
利用してみようかと思ったが夕食を取るような店ではないし、夕食後は満腹になってしまったため、今回は利用しなかった。

金も払わない見物人が店内で写真を撮るだけという行為は気が引けたが、幸い時間が遅かったため利用者はおらず、特に気まずい思いをすることは無くて済んだ。

今日もランジュがどえらい可愛い
ロックが好き

普段は運転していて友人と酒など飲めないので、こんな時くらいは飲もうと思いリーズナブルなウイスキーを買ってみた。
本当は岡山の地酒を買いたかったのだが、地酒を取り扱っているイオンリカーが既に閉店時間であったために断念し、普段は飲まないウイスキーを飲んでみることにしたのだ。

なお、先述のとおり後輩は動画を観ている途中で寝落ちし爆睡してしまったので、結局一人で飲んでいた。

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