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ダンジョンの中のひとが面白い

ダンジョンの中のひと公式サイトより引用

最近新しいアニメを見始めた。「ダンジョンの中のひと」というアニメだ。1話を軽く観て、よくあるダンジョン攻略系のアニメかなと思ったが、2話目以降で話の展開が大きく変わる。※ネタバレ含みます。

細かい部分は省略するが、この物語はダンジョンから戻ってこない父親を探しに言った娘が、ダンジョンの管理者に雇われて、ダンジョンを管理する業務に従事するという内容になっている。

まぁ主人公がダンジョン攻略をするのではなく、ダンジョン管理を行うという部分でも変わっているのだが、面白いのは「ダンジョン管理の裏側と日常」だ。

ダンジョンにはさまざまな要素がある。トラップ・宝箱・ドロップアイテム・モンスター・フロアマップなどだ。探検者側の視点で見ていると、これらの要素は全て「自動的」に生成されていると思いがちだ。「このダンジョンの宝箱やトラップは誰が設置しているのだろう」なんて疑念をそもそも抱かないし、気にもしない。そりゃ当然だ。

でも探検者がフロアダンジョンを攻略したら、また別の探検者のために攻略されたそのフロアダンジョンの整備をしなくてはならない。トラップの再設置・宝箱の設置と中身の補充・倒されてしまったモンスターの再配置などだ。ここが人間社会とやっていることが同じでとても面白い。

・新規モンスターの面接
・新しいフロアダンジョンの設計と切り替え作業
・モンスターの配置
・アイテムの回収と修理
・モンスター同士の交流

ダンジョンの中のひと公式サイトより引用

何からなにまで、人間社会とやっていることが同じなのだ。新しいフロアダンジョンのマップがモンスターに公表されて、配置をくじ引きで決めているシーンは、まさに学園祭の準備をしていた高校時代を思い出す。「お前どこの配置になった?」「えー、私ここだよ」みたいなリアルなやり取りは見ていて本当に面白い。

ちなみにモンスターは本体を複製したものを配置しているため、探検者に倒されても本体が消えてしまうことはない。モンスターの安全管理もバッチリだ。

人間は自分のことばかり考えて、相手の事情やその背景を知ろうとはしない。そんなところに興味などないからだ。でもあるきっかけで、普段は見えない部分が垣間見え、相手にも自分と同じような日常や生活があると知った途端に親近感を覚える。

今回のアニメがまさにそうだ。主人公と対する存在にあるダンジョンとそのボスは、物語の都合上、どうしても敵視されてしまう。だがボスにはボスなりの考えがあり、生活や日常がそこにはあるのだ。普通はスルーしてしまうが、これを知ることは、自分の日常生活で良好な人間関係を構築するために必要な視点だと思う。

「相手の事情を無視していないか」「自分の目線だけで物事を語っていないか」といった当たり前だけど忘れがちな大切なことを、この「ダンジョンの中のひと」から学んだ。

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