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どうせ上手くいく

まさか自分が今日まで生きてこれると思わなかった。

一番辛かった十代の頃、果たして自分は成人を迎えることが出来るのかと日々不安と闘っていた。

そのくらい辛かったから。
一日一回は死について考えていた。どうやったらより簡単に苦しまずに死ねるのかとか、でも死んだら家族に迷惑かけるとか、本当に「もう無理だ」って思ったら死ぬのはいつだって出来るから、だからあと一日だけなんとか引き延ばそうとかそんなことばかり考えていた。

そしたらまさか二十歳を越えて、それまでが嘘かのように、突然私の世界は平和になった。
単純に働き始めて、一人暮らしを始めて、忙しくなったのだ。忙しいということはいいことで、おかげで余計なことを考える時間が自然と減った。それまでの私はあまりにも、時間を持て余していたのかもしれない。

当時の自分が、とにかくこの現象に驚いたのを憶えている。
あぁ みんなは毎日こんなに平和に過ごしていたんだ、通りで私は周りの人達が自分と比べて、物凄く脳天気に見えて腹立たしく思っていたはずだ。何も悩むことなく(実際にはみんな多感な時期だったので、悩みは抱えていたと思う)幸せそう、なんでそんな笑顔でいられるの?って羨んでいたのだから。

十代の頃は万が一、二十歳を越えられてそれでも三十歳までにいいことが無かったら、それで終わりにしようと考えていた。
けれど二十歳の壁は意外にもあっさり越えて、だんだん死のうとか、そんなことを考えなくなていった。それから少し経って占いに行った時、「あなたは27歳から運が良くなります。」と言われた。所詮占いだけどその時はすがるものがそれくらいしかなかったから、すんなりと信じた。27歳まであと何年だ、今はまだ精神が不安定なことも時々あるけれど、着実に年々良くなっている気がする。あと何年、あと数年、まだかまだかと待ち構えていた。27歳になった途端、人生が薔薇色になるなんて思ってないけど、ポジティブなことを信じて頑張ることはいいことだと思う。そしてついに私は27歳になる。

ここに書いたことは誰にも言っていない。私が今日まで生きられたことは当たり前でも容易でもない。それを忘れたくないから記録として残します。とりあえず、30歳までは生きれそう。その後のことはまだ考えていない。考えてばかりいても人生はその通りにならないことは身をもって知っている。だからまぁ、今はこの言葉を大切にするだけ

「どうせ上手くいく」



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