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超短篇小説11 "異世界"

異世界に行く方法、という記事を見つけた。


いかにも怪しい記事ではあるが、私はその記事のやり方で異世界にいけるか試してみた。  


理由は簡単である。
私はこの世界にはいたくないから、かと言って死ぬ勇気まではないので、いつもネットなどで異世界へ行く方法を探している。  


○×○線の電車の終電は0:30らしいが、
終電後ある駅で待っていると0:59に電車が1本くるらしい。  


それに乗れば次の朝、異世界へ着いているのだという。  


私はその日から○×○線のある駅に終電後に行って異世界行きの電車を待った。  


すると、本当に0:59に電車が来たではないか!  


終電後に来てはみたものの正直言って信じてはいなかったから驚きを隠せない。  


勿論、私はその電車に乗り込む。  


そして、電車特有の椅子に座っていたら、ついウトウトしてしまい寝てしまう現状に陥ってしまう私であった。  


「お客さん!お客さん!」  


そう駅員に起こされ、外を見てみると、
単なるその電車の終点の駅だった。  


異世界に着いてなどいない、ただ電車に乗っていただけだった。  


しかも終電後のため、電車で帰ることもできない、、、、  


私は散歩がてら歩いて自宅へ帰ることにした。  


私の自宅は終点の駅からは歩いておよそ2時間くらいのところにある。  


しかし初めて終点の駅から歩いて帰ったがなんてのどかな住宅街なのだ、酔っ払いはおろか深夜にたむろする不良もいない。  


それどころか人の気配すらしない。  


それからのことはあまり覚えていない。


私は死ぬことにした。


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