遠くあなたへ
遠くあなたへ
あなたが生きていると聞いたとき
私は深い落胆と共に小さな悦を感じました
古いおかしの缶詰の
小さいサビた宝箱
その中のガラクタを他人に暴かれた
そんな幼い落胆でした
「ガラクタ」なんて あなたにぴったり
ふたをして しまって隠して
ホコリをかぶって遠く忘れる
ほらそっくり
あなたの美しさは
幼い私にはよくわからなかった
大人達のいう大切にも
私は耳を貸さなかった
ピカピカな泥団子と
白と黒の石と
緑色のガラス
美しいと思ったもの全部 あなたにあげてしまった
遠くあなたのいる街の
小さいこどもにあげてください
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