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春の訪れに感謝するということ

生まれも育ちも関東の私がまさか春の訪れに感謝をし、
それを人生に当てはめて考える日が来ることになるとは。

ロシアに駐在していた3年間、そこで私は3回の冬を越し、3回春を迎えた。

勿論、今までだって、春が来れば温かくなる空気を心地良く感じたし、
咲き誇る花々に心躍らせて、新しいスタートにワクワクもしてきたけれど、
だからといって、街中で春の訪れをお祝いしたり、家族で春が来たねーと、春を象徴する食べ物を食べることなんて、多分なかったと思う。

それが、ロシアで暮らして、初めて春を迎えた年に
街中で盛大に春の訪れを祝うお祭りに遭遇した時、
ものすごくびっくりしたのを覚えている。

と、同時に、それまでの長く寒く暗い冬を思うと
確かに春の訪れは皆で踊り狂いたくなる位嬉しい出来事なのだ。

冬が厳しければ厳しいほど、温かい春の訪れは嬉しいし、有難い、
きっと寒い所で暮らす人は、皆、そう思って生きてきているのだろう。

これって私たち人間の生き方にも当てはまらないだろうか?
人間誰しも全てのことが思い通りに簡単にいくわけではない。
むしろ、思い通りにいかずに、もがいたり、
悩んだりすることの方が多いと思う。
でも、そのもがきや苦しみの期間が長かったり、深かったりするほど、
その闇を越えた時の喜びはひとしおだし、
悩みを乗り越えられたことに感謝もする。

これってすなわち、北国で春を迎えた時の気持ちと似てるな、と。

日本はそろそろ桜のシーズン。
桜は寒さが厳しければ厳しいほど、
綺麗なピンク色を出してくれる、と昔聞いたことがある。
だから寒さの厳しい京都や東北の桜は綺麗に、全力で咲き誇るのだろうか。

もし、今、悩みの渦中にいたり、
先が見えずに辛い思いをしている人がいたとしたら
その先にある春を思い描いてみてもらいたい。
悩みが深ければ深い分だけ、
きっと春に咲く花の色は濃く綺麗なはずだから。

ロシアにいる人達も
ウクライナにいる人達も春の訪れを心待ちにしている気持ちは一緒なはず。
どうか、平和な気持ちで両国が春の訪れを迎えて欲しい。
ロシアに住んでいた経験がある者として、心からそう思います。






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