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2年経って

こんにちは。

ちょうど2年前の2月上旬。

私はドイツ企業の訪日研修の仕事を控えていました。
日本では観光業界でコロナ肺炎の陽性者が確認され始め、連日テレビ報道でその経路や対策が報じられていた頃です。
今思えば、当事者全員がアジアの出来事、対岸の火事と思っていた節があります。日本滞在中の一行は、誰かが咳払いすればコロナかと、慣れないマスク姿で冗談を言い合うような呑気なものでした。
およそこれが、その後2年に渡って世界を変様させたコロナ禍の幕開けとなることなど誰も想像だにせず。
そして、その一週間強の日本滞在中にも、今度はヨーロッパで感染が急拡大し、ドイツを出た時と戻った時ではすでに様相は一変していたのです。

そして2年後。

今ドイツでは、ロックダウンを含んだ様々な緩急の対策の末、3月20日を目処に厳しい感染対策に関してはその解除を進める方向で段階的に動き出したところです。

そんなドイツの2020年、2021年。
コロナ対策のための様々な規則が生まれました。
今回は、そんなドイツのコロナにまつわる超変てこなルールと、コロナ関連ワードについて書こうと思います。


へんてコロナルール

1つ目は、ニーダーザクセン州で定められた規定に関するものです。
当時、外出制限が出されていたり休業を余儀なくされていたお店も、ドイツでは規制を解除しつつあり、アイス屋さんも例外ではありませんでした。
コロナウィルスの感染対策措置として、レストランやカフェから50m以内で食べ物を食べることは禁止されていたのですが、アイスに関しては(溶けるので)特例が認められた、というのがご紹介する内容です。2020年の春のことです。

"Bei der Anwendung der Verordnung darf pragmatisch vorgegangen werden, als durch erstes rasches Lecken an einer Eiskugel während des zügigen Sichentfernens von der Eisdiele ein Heruntertropfen des Eises auf Kleidung oder Fußboden verhindert werden darf." 

そして最後はこのように結んであります。

"Für den Verzehr des Resteises gilt jedoch der Abstand von 50 Metern. ;-)"

https://www.niedersachsen.de/Coronavirus/antworten_auf_haufig_gestellte_fragen_faq/antworten-auf-haufig-gestellte-fragen-faq-186686.html

最後の絵文字が気になるところですが、冗談でしょうか^ ^?

曰く、

『アイスを購入した店舗から速やかに距離をとりつつ、「素早い初めのひと舐め」によって、溶けたアイスが服や地面を汚すことが回避されるならば、規則の運用は現実に則して実施されるべきである。但し、残りのアイスを食すにあたっては、店舗から50m以内での飲食を禁止するとする(既存の)規則に従う』というもの。

言い換えれば、

アイスを買ったら、溶けちゃうからその場で例外的に一舐めだけ許します。でも一口目は、やっぱり50m離れてから食べてね。

という意味です。
これ、新しいオリンピックの競技ではありません(笑)。

アイスを受け取ったら、兎にも角にも店から速やかに離れながらマスクを外して「素早い初めのひと舐め」。
再びマスクを装着。
そのまま足早に店から50m離れていざ実食!
しかしそこは、きっとまた次のアイス屋さんかレストランの50m圏内なのでは( ̄▽ ̄)?

2020年夏、ドイツでは永遠に食べられないアイスを手に街を右往左往走り回る人々の姿が見られました(笑)。

もう一つは、バイエルン州から。
国内で一番初めに感染者の出た州でもあり、最も早い時期から厳格な外出制限等の対策を取って来ました。(現在は、医療従事者などのワクチン接種の義務化に難色を示し、他の州との足並みを乱していると批判あり)。
同居する者同士でない限りは、二人以上で外出することが出来ない時期がありました。もちろん1,5mのソーシャルディスタンスは厳守です。
そんな中、友人が友達と公園を散歩していた時のこと。

ソーシャルディスタンスを守ってベンチに腰を下ろした二人。するとパトロール中だった警察官がやって来て、
「座れるのは公園のベンチ一台につき一人という規定がありますので、一人は立っていてください。」

このコロナ禍で決まった、1つのベンチにつき一人という規則。
ベンチが1,5メートル以上ある場合、

意味ある(笑)?


動物園は2Gで通勤列車は3G?

これ、通信システムの話ではありません。

ここからは、人々をコロナワクチン接種済みか否か、罹患済みか否かなどのステータスにカテゴライズして、コンサート会場や飲食店、学校や公共機関などの利用基準について定めている話になります。

こんな感じです(上から下に基準が緩くなっていきます)↓

3G+
ワクチン2回接種済み証明がある、もしくは治癒証明のある人。且つ48時間以内のPCR検査の陰性証明があること。あるいはそれらの人々が立ち入ることのできる場所の意味。
3G
ワクチン2回接種済み証明がある、もしくは治癒証明のある人。且つ24時間以内の簡易検査の陰性証明か48時間以内のPCR検査の陰性証明がある人。あるいはそれらの人々が立ち入ることのできる場所の意味。
2G+
ワクチン2回接種済み証明がある、もしくは治癒証明のある人。且つ24時間以内の簡易検査での陰性証明がある人。あるいはそれらの人々が立ち入ることのできる場所の意味。
2G
ワクチン2回接種済み証明がある、もしくは治癒証明のある人。あるいはそれらの人々が立ち入ることのできる場所の意味。

※Gは、 - Geimpfte: 接種完了者
    - Genesene: 治癒者
              - Getestete: 検査済み者
の頭文字のGです。

追記

コロナ禍でよく使われている用語を少しだけ。
2年間も同じテーマでニュースが流れることなんてそうそうあることではありませんが、言語学習にはうってつけですね(^^)。

RKI(Robert Koch Institut)
細菌学者ロバート・コッホの名を冠した研究所。日々ドイツの新規感染者数を発表している機関。
Ständige Impfkommission (STIKO)
ドイツ予防接種常設委員会:様々なワクチン接種のスケジュールや市民への接種の推奨をしているところ。独立機関で上記ロバート・コッホ研究所に位置付け。

7- Tage- Inzidenz
人口10万人あたりの7日間の新規感染者数

ACH- Regeln
Abstand, Hyiene, Alltagsmasken、ソーシャルディスタンス、手洗い、マスク着用のそれぞれの頭文字を取った日常生活における約束事

Booster- Impfung
3回目の追加接種

ところで、

ドイツ人とルールって類語ですか?

というほど、その国民性についてこの関連で語られることが珍しくありません。
しかしそれは、ドイツ言語(特に法律文書などの書き言葉)の特性にも起因しているのかな、と思っています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。


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