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だいぶ違う

Hallo, Guten Tag!

日常的に使う単語ほど、多くの意味を持っています。
1単語に1つだけの意味が与えられているようなレアな専門用語を覚えるのも大変だけれど、日常語の数ある意味の中から、辞書で引いた4番目以降くらいからの意味を頭の中に入れておくのもまた大変なこと。

しかし使用頻度や見聞きすることが多いのが日常語のいいところでもあります。繰り返し触れられるから、さほど苦もなく気がついたら身についてるかも⁉︎

さて、今回はそんな、同じ言葉でもだいぶ異なる意味を持っている日常語の話です。特別な言い回しで使われる場合の特別な意味として、ではなく日常に使う言葉の、日常的な用法で考えてみました。


sitzen

sitzenは「座る」の意。

Sie sitzt schon seit 10 Jahren.
彼女はもう10年も座っている。

なんの修行中なのかしら?

このsitzenは、修行の身で10年間も座っているのでない限り「服役している」という意味の可能性があります。
もちろんこの短い文章からだけでは文脈がわからないので、修行中である可能性を完全には除外できないのですが、これが「座る」という日常語の持つ、もう一つの意味です。

文末に、以下のように
Sie sitzt schon seit 10 Jahren hinter Gittern/ im Gefängnis.

などとあれば、太字部分が格子の向こう側に、監獄の中にという意味になるので「彼女はすでに10年も服役している」という意味がより明確に浮き彫りになります。

einschlafen

einschlafenのよく使われる意味には、「眠りに落ちる、寝入る」や「永眠する」があります。日本語でも「亡くなる」という婉曲な言い方があるように、ドイツ語でもこの言葉がsterben(死ぬ)の婉曲表現になっています。

Mein Bein ist (mir) eingeschlafen.
私の足が亡くなった。

・・言いませんね。

この場合のeinschlafenは、「感覚がなくなる」、つまり「足が痺れた」という意味になります。

lesen

lesenは「読む」の意味。
直説法現在形で不規則人称変化をする動詞として、ドイツ語を習い始めるとすぐに登場してくる馴染みのある動詞ですね。

Im Herbst werden Trauben gelesen(lesenの過去分詞).
秋には葡萄を読む。
   (注: 文法的には受動態の文ですが、和訳は能動態にしています。)

・・・はて?

ドイツワインを飲む人なら、Spätleseや Ausleseなど、特定の基準を満たした高品質なドイツワインに見られるこの言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。ここにあるLeseは「摘み」、「(主にブドウなどの)収穫」を意味する名詞なのですが、この動詞がlesen「摘む」。

よって、「秋には葡萄を収穫する」の意味になります。

日常のよく知っている言葉だからこそ、辞書で二度と確認することはない・・。
けど、辞書を見ることがあったら、いつも目を走らせる範囲の数行先までチラッと覗いてみると、意外と面白い世界が広がっているかもしれません(・ω・)ノ。

今日のドイツ語

das Gitter 格子 (本文中は複数3格の語尾nがついています)
das Gefängnis 刑務所
friedlich 安らかに 平和に
das Bein 足(一本ね)
der Roman 小説
der Herbst 秋


今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。











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