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『歩きながら考える』 今までと、これからのわたしについて
ヤマザキマリさんの『歩きながら考える』というエッセイを読んだ。
コロナのパンデミックを経て現在に至るまでに考えたことや、自分自身の変化が書かれているエッセイで、独特の考え方に引き込まれる。
コロナの流行が始まってから今現在まで、私自身もいろいろと考えることが多かった。
自由に動けないことへのストレスや、いつまで続くか分からない不安。コロナにかかった時は、発熱や倦怠感以上に、数カ月続いたうつ状態が本当につらかったし、世の中の動きも、自分自身の体調も、気持ちの変化も、約3年間、本当にいろいろと考えさせられてきた。
いまだに元どおりとは言えないし、そもそも “元どおり” ってどういう状態なのか。世の中が “元に戻る” なんてことはコロナの流行有無に関わらず、あり得ないのでは・・・?なんてことを考え始めるくらい、この数年間は "考える" ことに費やす時間が多かったと思う。
時々、ずっと同じであることに怖さを感じることがある。コロナ禍の生活はまさにそんな怖さとの戦いで、"このまま時間が過ぎていく" ことに対する恐怖に耐えていた感覚がある。
だけど、良くも悪くも動くことを制限されたからこその気づきや変化も確実にあった。
ずっとやりたかった仕事を副業として始めたことによって、会社員以外の世界を垣間見ることができたし、自分にとっての仕事観を考え直すきっかけになった。
今まで読まなかったジャンルの本を読むようになって、触れたことのなかった考え方に触れたりもした。
行動の自由を制限されたことによって、本能的に脳内の自由の幅を広げようとしてたのかどうかは定かではないけど、結果的に考えることから派生して、思考の自由を広げていこうとしていたような気がする。
そして、思考の自由を広げながら、そろそろ行動の自由も戻ってきた今、思考も行動も制限をかけないように、楽に歩いていきたいと思っている。
この本の作者であるヤマザキさんの考え方は、どこかすごく軽やかで、でも、地に足がついていて、自由だけど現実的で、なんだかすごくステキだなと思った。
思いがけず手に取ったこの本で、コロナ禍の3年間を振り返り、これからの今をしっかり考えていこうと思えた。
もっといろいろ、ヤマザキマリさんのエッセイを読んでみたくなった。
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