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#2 武器供与について語るクラスメイト

私が通うスウェーデンの語学学校での1コマ。

今在籍しているクラスには22人のクラスメイトがいて、シリア、パキスタン、トルコ、アルバニア、イラク、アフガニスタン、メキシコ、チェコ、そしてウクライナから来ている学習者がいます。

スウェーデン語のレベルは中級前半(CEFRでいうとA2とB1の混在クラス)で、まだまだ社会問題について語れるレベルではありません。

先週はなんとなく、先生も戦争の話題を避けているのかなと思っていたら、今日は冒頭からロシアとウクライナの問題について話し始めました。もちろん私たちのレベルで理解できる語彙を使いながら、今起こっていることを表現してみよう、という主旨でした。

クラスメイトの大半が母国での争いから逃れて来たと思われる方々なので、「戦争はよくないよね」みたいな軽い発言もなく、みんな何かを言いたそうだけどスウェーデン語では表現できないというもどかしさが見てとれました。ちなみに私は、「日本ではこの問題をどう捉えている?」と聞かれた場合の答えを一生懸命、頭の中で準備していました(結局、指名されず)。

すると、ウクライナの男性が「私は武器を送ることが戦争を止めることに役にたつと思いません」と発言しました。

スウェーデンはNATOには加盟していませんが、ウクライナへの支援を表明し、武器供与を政府が決定したところでした。

先生も、この話についてはスウェーデン国内でも賛否両論がある…というようなことを言っていたと思いますが、先生が話した内容は半分ぐらいしか理解できませんでした(中身ではなく言語的に…)。

⇒ここからは日本語教師としての考察

このレベルで、皆が武器とか戦争とかという言葉を理解し、使いこなせています。そして何より、先生がその話題に触れ、「自分たちが今使える言葉で、今ロシアとウクライナで起こっている状況を表現してみよう」と投げかけたことが素晴らしいと思いました。日本の日本語学校なら、上級レベルぐらいから、中級でするとしても…(いや、やっぱりその日のカリキュラムをこなすことで精一杯じゃないかな?)話題的にも語彙・表現力的にも、講師が投げかけにくい質問ではないかと思いました。


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