京都フマン旅行

広島に用があり弾丸旅行をして、そのついでに京都の友達のところへも足を運んだ。

約1週間くらいお世話になった。
自分もそんな長く長居するとは思ってもなかった。

発端は友達の「火曜日に送り火があるから見に行く？」だった。
誘われたし見に行きたいと思ったので誘いに受けたのだが、友達は「1週間もいるとは思わなかった」と滞在3日目くらいにして言われて驚いた。

いやいや、誘ったのそっちやん。なんでそんな言われないかんのやろ……。

少し疑問に思いながら滞在した。

長くいることだし、大阪にも行こうという話になり行ったが、その前に猫カフェに行ったことがないという話をしていたからか大阪に行って猫を見に行った。

正直、今日京都でも良かったのでは…？と思いながら猫と戯れて、その後に｢行きたいところない？ないなら帰ってもいいよ｣と言われた。

正直、え、そんな早く帰んの？もっと大阪味わいたい！！と思ったけど、言える空気でなかったし、行きたいところを言い迫られて1人で行きたい気分になってしまってダンマリしていると、優柔不断な私に苛立ったのかその後不機嫌に「ないなら帰るで。トイレ駅の中にあるし」とピシャリと言われた。

なんでそんな言い方すんのやろ、と思って友達の様子を見ていると、どうやらお腹を下したらしく、その晩はずっとトイレに行き来していて、お腹が痛いからとシャワーも浴びずに寝ていた。
不機嫌な原因はこれかと納得したが、なんだか損した気分になった。

友達も忙しいらしく、グループ課題に追われていて、1人がちゃんとやってくれへんとかで愚痴を聞きっぱなしだった。
正直、飽き飽きした。忙しいならはよ言ってくれや……。そんなら別に寄って行かんかったのに。

まぁ、都路里の抹茶そばとパフェ食べて美味かったから許す。

最初は京都でエンジョイしようと思って行ったが、友達といると歩く感覚とか金銭感覚とかちょっとした違いが積み重なって、楽しくなくなってしまった。

インスタの毎日更新を頑張る売れないYouTuberみたいな生活をしていて、少し疲れてしまった。

だからといって1人旅行も自分で色々決められるのは言いけれど、何か物足りなさを感じるし、難しいなぁと思った。

私は京都に何しにきたんだろう。

そんなことまで考え出した。

ちょっと一緒に居すぎたのかもしれない。

少し中高校時代を思い出す。

あの頃は友達とずーっと付きっきりで、移動教室の時も、昼休みも、放課後も、同じメンツでしか関わらない日常を過ごしていた。

何気ない日常は平和で言いけれど、正直飽き飽きとしていたし、長時間人といると嫌な部分も見えてきて、自分には合わないと思うと、ものすごく気怠いなと思った。
集団行動が苦手であった。

高校で仲良くなったグループもいつしか呼ばれず、私ともう1人以外で遊んでいるストーリーが載せられていたり、ハブるのは勝手だけど、もう少し見えないように上手くやれやとは思う。
みんなに自慢して仕方ないんだろう。

ストーリーもいつしかマウントの取り合いになり、どこかに出掛けて遊んでいる充実した生活をしている人が勝ちみたいな空気感が流れていて、その波に私も呑まれて、現状報告のストーリーと化していった。

ストーリーをあげるからって別に充実しているとは限らないし、一人旅して誰も知らない所に行って、干渉されたくないとさえ思えてきた。

じゃあどうしてストーリーをあげたんだと突っ込まれそうだけど。

私もそういった充実した生活、刺激のある生活に憧れているようだ。

そりゃあそうよね。中高時代にケータイも買って貰えず、青春というせの文字もなかった私が青春を枯渇しているのは当たり前で、普通のJKとかJDがしていることをただしたいだけなのだ。

それをイキがっているとか痛いとか変に周りを気にするのも嫌気が差してくる。

家に着くと今までの気負いがドっときて疲れた。

『一人旅 女子 おすすめ』で検索すると、狙ったかのように京都と書かれていて、もはや笑う。

もう一度京都行ってやろうかなと思った。
さっきの子には内緒で。
いやバレそうで怖いな。

自由がありそうでないことを自覚して、未開拓地に足を伸ばしたいなと思えたけど、一人旅するのには少し勇気がいるなぁと思いながらこれからの夏休みをどう使うか悩んでいる。

社会に出た大人たちは、『そんなに長期休暇取れないんだから遊べるうちに遊んどけ』とは言うけれど、遊ぶ友達がいなければ充実すら出来なくて泣けてくる。

あぁ、私はいつ青春を過ごせるのだろうか。
大人になるともう青春は過ごせないのだろうか。
学生時代に青春を送り逃すと送ってやろうという野心が強すぎて相手を引いてしまうくらいになりそうだ。そんな自分に今引いている。

安井金比羅宮に行って、友達ともっと仲良くなれるように、お金が入ってくるように、就活が上手くいくように、今の自分から脱曲できるように願ってきたけど、そう簡単には叶えてくれそうもない。
変に期待している私が大丈夫なのか心配である。

楽しい最後の夏休みにしてくれ。頼む。