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{読書感想短歌*110}キャサリン・ゴヴィエ 『北斎と応為』

名を成すか子を成すか茄子の田楽か あたしはあたしの色を成す、一生

nawo nasu ka kowo nasu ka nasu no dengaku ka atasiwa atasino irowo nasu, hitoyo

カナダの作家が書いた、葛飾応為(北斎の娘)の一生。翻訳の素晴らしさもあると思うけれど、日本人が読んでも違和感がまったくなくて…みたいなことを言う必要もあんまりないなってくらい小説としてカッコいい。生まれるとこから、もう一人称で語られてるとか、たいへんにクールである。

※作中、男性に依存しない自立した女であることを、〈新しい女だね〉みたいに言われる箇所があって、それに対して応為が〈いいえ、私は古い女なんです〉と答えるのが印象的で。たしかに、原初的には強い生き物だったはずだな、と、思ったというか思い出したというか。


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