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{読書感想短歌*22 } 角田光代『笹の舟で海をわたる』

欲しいもの 手に入れたもの どちらでもないけど何故か持っているもの

hosiimono teniiretamono dotirademonaikedo nazeka motteirumono

戦争中、集団疎開先で一緒だった(と言っている)相手と偶然再開し、一見好意のようなものを向けられつつ、ぐいぐい生活に入って来られる。読んでても、これが何かの復讐なのか、それとも過剰な愛着なのか判然としなくて。その間でぐらぐらする世界観が、ちょっとこわくてだいぶんおもしろい。

※羨望とか嫉妬とかは、がんばるエネルギーにも変えられるから、必ずしも悪いもんじゃない。ただ、〈それじゃないよね?〉というものに向けられてるのを見ると、もったいないなぁとおもう。自分が好きでもない相手にモテているひととか、自分が目指してもない職業で目立っているひと、などなどをうらやんでいる時間、すっごく無駄じゃない??

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