{読書感想短歌*16}カレン・ラッセル 『レモン畑の吸血鬼』
幼日のひ・み・つのやくそく守り来し 人形の唇のクロスステッチ
osanabi no hi/mi/tu no yakusoku mamorikisi anoko no kuti no kurosusutetti
カレン・ラッセルの短編は、SFかよってくらいふしぎな世界観なのに、出てくるひとびとがたいへんにリアル。抱える問題も痛みもリアルだから、無責任にハッピーには向かわないけど、それでもじりじりと、救いのほうへにじりよろうとする、そのにんげんくささの配分が、上っ面のきれいごとよりよっぽど優しいとおもう。
※いちばん印象に残ったのが、少年たちとカカシの話だった。これが女の子だったらまたちがう毒があるのだろうな、とおもってつくった短歌。人形と書いて「あのこ」と読ませる荒技。
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