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{読書感想短歌*127}誉田哲也 『ジウ』 Ⅰ〜Ⅲ

血も 愛も 身内を流れるものだから 怪我すれば零れる 喪えば死ぬ

timo aimo miutiwo nagareru mono dakara kegasureba koboreru usinaeba sinu

一作目で、それぞれに魅力的だけれど、性格が両極端なふたりの女性刑事が登場し、ああ、これは彼女たちが個性を補完しあって、素晴らしき活躍をする物語なのだろうな…と思っていたら、いや、そんなヤワな展開じゃなかった、ぜんぜんなかった。特に武闘派の基子のゆく道はかなりのハードモード。読みはじめには、基子派・美咲派に好き嫌いが分かれそうだけど、たぶんラストまで来ると、いや、どっちもいい!ふたりとも好き!てなるのでは。私はなった。

※誉田哲也の凄いところは、いつのまにか犯人サイドにも同調してしまう、というか、ある程度共感しちゃうようにもってかれるところだとおもう。もちろん全体の目線は警察小説として進んでるので、クライマックスには〈解決しなきゃなのはわかってるけど…しかし…!〉みたいな葛藤にまみれることになるのはある意味読者として至福。

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