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{読書感想短歌*102}マイクル・コナリー 『汚名』

無に近い力で夜明けへ漕いでゆく 近い は決して 無 ではないから

mu ni tikai tikarade yoakee koideyuku tikai wa kessite mu dewanai kara

ハリー・ボッシュ、いったい何歳なんだろう。いちど警察を定年退職して、延長制度で何年か復職して、そのあと探偵期間があって、現在は嘱託の刑事さん。少なく見積もっても、60代の…後半?なのに!たぶんシリーズ初・麻薬絡みの潜入捜査に大挑戦だよ。どんだけハラハラさすのさ…。いやカッコイイけど…。

※あなたほんとに融通がききませんね、と、ファンですら思うレベルで硬派なハリー・ボッシュは、いつもいつも己をすり減らして事件を解決するのに、〈まだ足りない、ぜんぜん足りない〉って思ってそうで、カッコよくて痛々しい。確かに、世界中に存在する全邪悪を思うと気が遠くなるけど、だからこそ、いまそこで成される正義がキラキラひかるのは、物語でも、リアルでも、同じことのようにおもう。



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