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RPAとBPMNの似ている点と異なる点

RPA, BPMN, 両者ともに”業務可視化”という副産物が生まれますが、その粒度は異なります。RPAは短期的に自動化のメリットが得られますが、本質的な業務改革にはBPMNの力が必要だと考えています。今回は、そんなRPAとBPMNの共通点、異なる点を記事にしてみました。

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私は仕事でBPMN(Business Process Model & Notation)を使った業務フロー書き出しを続けている傍ら、RPAによる業務自動化も進めています。今回は2つの業務に取り組んでいる中で感じた共通点、異なる点をまとめていきたいと思います。

【共通点】
・2つとも業務の流れ(Activity, Process)を把握していないと作れない

【異なる点】
・Activityの解像度
・To beの議論対象が異なる

まず共通点ですが、これは想像がつきやすいかと思います。業務の流れが不明瞭な場合は当事者へのヒアリング、インタビューなど通して骨組みを作り、例外的なイベントがないかを確認していきます。

異なる点に”解像度”を上げましたが、ここの違いをしっかりと認識しておく必要があります。例えばこのような違いです。

BPMN : メールを作成し送信する
RPA:Outlookを開く→新規メールボタンを押す→件名に日付を入れる→...→メールを送信

RPAの方が圧倒的に粒度が細かく、一つ一つのマウス、キーボード操作を書き出していくのに対し、BPMNは業務プロセスを書き出していくため、メール送信はあくまで1つのアクティビティとして完結しています。(BPMNの方がRPAより記述する際の粒度が大きい)

どちらにも魅力があるのですが(特にRPAは自動化に繋がり、人の負担が減る)、RPAだけ進めれば業務改革!と言い切れないのではと思います。RPAは粒度が細かすぎるが故に、業務プロセス自体を見直すことは難しいと考えています。現状の業務プロセスを”正解”とした上での自動化、という点に注意が必要だと思います。

BPMNはそういった意味で、業務プロセス自体を見直すことに向いており、上位者であればあるほど、この視点で見直していくべきかなと思います。業務自体を省く、順序を変える様な議論はBPMNが向いているでしょう。(たまに、RPAでなんでも上手くいくような発言が聞こえてきますが、そうではないと思います。)

どちらか一つあれば良いという話ではありませんし、対象者が異なっているとも思います(RPA=実務者、BPMN=マネジメント)。大枠の話をBPMNで進めながら、一方で実務の現状面倒なところをRPAを使って短期で解決していく。言うは易しですが、両者のPros/Consを理解しながら両輪で進めていこうと、記事を書きながら改めて腑に落ちました。

(写真はパリにて)

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