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8月22日 テーブルの伸びしろ

8月12日(金)

ライジングサンロックフェスティバルへ。初日のみ参加。

大好きなズーカラデルにはじまり、クリープハイプに泣き、中村佳穂にビビる。岸田繁の弾き語りで改めてくるりの歌詞について考える。初めてサンステージ(一番大きいステージ)のアジカンを見て震える。入場制限のかかったCreepy Nutsを遠くで聴いて終了。来てよかった。

久しぶりに会った大学の先輩が、「俺もう今年38だよ。誰と同い年だと思う? 毛利小五郎だよ!」と言っていた。毛利小五郎と同い年は衝撃的。


8月13日(土)

会場から帰ろうとしたら、駐車場でスタックした(詳しくは別記事)。

車が泥まみれになったので、近くの洗車場に寄った。初めてのコイン洗車機。400円の「通常コース(6分)」と500円の「延長コース(8分)」があって、注意事項として「500円硬貨は使えますが、おつりが出ません」と書いてあった。財布を見ると500円玉しかなく、そうなると延長コースを選ぶに決まっている。使えますがおつりが出ませんって、なかなか理不尽なことを堂々と書いていて面白い。これで400円の通常コースにする人はいるのだろうか。100円損をしようとも、通常コースで洗うんだという固い信念を持つ人。そんな人いないから、まあこれでもいいのか。


8月14日(日)

私の住む田舎町最大のイベント、盆踊りが3年ぶりに開催。私がこの町に来てからはじめての開催だったので、その賑わいっぷりに驚いた。普段どこもかしこも閑散としているこの町にもこんな一面があったのかと、少し嬉しい気持ちに。

屋台はどこも列を作っていたが、ビールだけ買いたくて焼き鳥屋の列にしばらく並ぶ。やっと私の順番が来たのでビールを注文したら、「ごめん、ビール切れちゃったの」と言われ、あまりのショックにそのまま帰宅。すでに盆踊りの雰囲気も味わったし、まあいいかと。

家で缶ビールを飲みながら、ベランダで打ち上げ花火を見た。本当にすぐ近くで、しかも方角もちょうどよくて、完璧な特等席だった。最高潮に夏を感じた。


8月15日(月)

家の近くの店で夫が職場の人たちと飲み会をしていて、夫の職場に来ている実習生3人を私が車で宿泊所まで送ることになった。4人乗りの車なので、夫は乗らない。実習生(まだ学生)の立場からすると、これはかなり気まずいだろうなと思い、初っ端からマシンガントークを繰り出す私。気遣わなくていいよ感の演出である。「私の真後ろに座ってるのが……○○君? ○○君はどこから来たの? △△大学? へえ~そうなんだ!」などと、3人に話を振っては無駄にガハガハと笑い、車内さんま御殿とばかりに場を回す。それでも終始、恐縮している若者たち。大学生がそう簡単に初対面のアラサーと打ち解けて盛り上がれるわけがない。自分の無力さを痛感しながら、どうにか15分間を乗り切り任務完了。家に帰ったらへべれけの夫がポテチを食べていた。呑気なものである。


8月16日(火)

夫がテレビを見ながら、「この人、青山テルマに似てるね」って言った人が、青山テルマだった。

ちなみに別の日、私が「あ、竹野内豊だ」って言った人は大谷亮平だった。


8月17日(水)

関根(うさぎ)を病院に連れて行く。関根のおっぱいに腫瘍が見つかってからもう一年以上が経った。最初は触ったらわかる程度の大きさだったのが、ジュクジュクしたり出血したりカサブタになったりを繰り返しながら、今や普通の体勢をしていても飛び出して見えるくらいの大きさになっている。現在は過去最高にでかいカサブタが岩石のようにくっついているのだが、幸い腫瘍があることによる他の症状は何もなく、今のところ良性のようである。本当にただデカいものを胸にくっつけて生活している、というだけの状態。腫瘍があるとわかったときはもう長くないだろうと覚悟したものだが、まったく、しぶというさぎである。病院で体重を計ったら前回と変わらない数値だったようで、それを見た先生が「わッ!?えッ!?変わってない……」と驚いていた。ここまで高齢になると食が細くなって痩せていくのが普通らしい。確かに関根は食欲だけずっと変わらない。人間もうさぎも、長生きの秘訣はよく食べることというわけか。



8月18日(木)

夫が関根を仰向けに抱っこした瞬間、関根がワシャアアアとおしっこをして、どうしようどうしよう拭いて拭いてと二人であたふたしているうちに、もういっちょ!とばかりに関根が再度ワシャアアアとやり、それが今度は夫の顔面に直撃した。ちょっと口に入ったらしく、ブェヘエエエとなりながらも関根をしっかりと抱きかかえている夫の姿は、飼い主の鑑であった。



8月19日(金)

私も夫も締切が近い書き物があって、家だとダラけてしまうからと、夜中にココスに行くことにした。節約しなければという気持ちもあったので、家でインスタントラーメンを食べてから行った。ドリンクバーとデザートを頼み、ピーク時間を過ぎた店内で静かに黙々と書く。しかし、近くの席の人が注文したハンバーグステーキがジュウジュウ音を響かせながら到着すると空気は一変した。ごくりと唾を飲み込む我々。いい匂いも漂ってくる。更に追い打ちをかけるように、今度はジュウウウ、ジュウウウという連続音。見えはしないが、これは間違いなくハンバーグステーキをペレットに押し付けている音だ。しばらく拷問のような時間が流れたが、なんとか耐え抜いた。


8月20日(土)

昨日の続きをやるために、今日も夜のココスへと赴いた。そして速攻でハンバーグステーキを注文した。我々は昨日のストレスを発散するかのように、思う存分ジュウウウをやった。


8月21日(日)

来月、夫の両親、姉夫婦と長崎に行くのだが、泊まる場所がリゾートチックなホテルで、どうやら水着が必要らしい。ろくな水着がないのでこの機会に新しく購入しようと、ネットで良さそうなものを探す。が、もう8月下旬、シーズン終わりだからなのか、「これ良さそうだな」と思って買おうとしても、サイズの在庫がない。Sとか3Lとか極端なサイズばかり残っている。Lサイズを探してネットの海を彷徨う。これもダメあれもダメと奔走し、3時間くらいかかってやっと決めることができた。というか、もう仕方なく2Lサイズにした。本当に、Lがない。どこにもない。日本人女性、Lすぎる。



8月22日(月)

新しいダイニングテーブルセットが届いた。今まで使っていたものは私が独身時代に買ったもので、すごく安かったが随分長いこと使った。しかしテーブルの表面が傷だらけになっていたことに加え、最近では椅子に少しヒビが入っていてどうやらギリギリの状態、今にもバキンといきそうな感じ。椅子がバキン、ひっくり返って骨もボキンみたいなことになっては目も当てられないので、さすがに新しいものをニトリで購入した次第である。

新しく買ったダイニングテーブルの一番のポイントは、伸縮できることである。部屋の大きさ的にあまり大きなテーブルは置けないが、我々は時に常軌を逸した量の食べ物を食卓に並べることがあるため、そういうときにテーブルの端が伸ばせる、つまりテーブルに伸びしろがあるというのは大変便利である。テーブルが小さいために、出したい料理を出すのを諦めたことが過去に何度あったことか。もうそんな辛い思いはしなくていいのだ。我々は、自由だ。テーブルの伸びしろは、人生の伸びしろなのだ。



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