見出し画像

忍者は名古屋に存在した!The Huntedレビュー

ヘンテコジャパンを取り扱うニンジャサムライムービーは数あれど、舞台が名古屋でちゃんと現地ロケしてる映画ってこの映画くらいじゃないだろうか。ジャパン=トーキョーの価値観を脱したヘンテコ名古屋ムービーが1995年に爆誕していたとは知らなかったよ。

物語のあらすじは、アメリカから名古屋に商談で来た男性が、謎の美女と出会ったことで忍者vs侍の戦いに巻き込まれていく……というもの(雑すぎる)。

なお無意味なお色気シーンや公共交通機関での無差別襲撃シーンがあるので、抵抗がある方にはおすすめしません。

①トンデモニッポンとガチ日本の融合

これはちゃんと日本に来てロケしている分始末が悪いという感想に尽きます。名古屋の街並みとか(行ったことないけど)ちゃんと日本の風景だし、流暢な日本語を話す役者さんが一定数いて普通に見られる場面が続いたかと思いきや、主人公の泊まっているホテルの内装がおかしい(障子を開けたらいきなり檜風呂がある)とか、パチンコ屋に未成年がいる等の事案が発生して混乱します。

かと思えば劇中でずっと流れている太鼓を演奏しているのは鼓童の方々だそうで、監督がかなり真剣にジャパンに取り組もうとしていたことはわかります。

②鉄道会社JER

主人公が武道の達人夫婦(原田芳雄&島田陽子)に匿われ新幹線に乗るシーンがあるのですが、新幹線は実際のホームも利用してガワを撮影しているようで、ここは素直によく撮らせてくれたなあと感動。なお社名は当然ながらJRではなくJERとなっています。この内装がまたオリエント急行か?という感じで、個別の客室やバーカウンターがあったりします。

主人公を追いかけてきた忍者一味こと夏木マリ姉さん御一行が車内で大暴れ、それを日本刀一本でなぎ倒す原田芳雄、弓で援護する島田陽子、めちゃくちゃかっこいい。

主人公はコッソリ持ち込んでいた銃で応戦しようとしますが、原田芳雄に「銃はダメだ!」と投げ捨てられる謎展開により見せ場はなし。

ちなみに主人公の銃は、主人公が襲撃に遭い入院していた病院で刑事が携行していたもの。この刑事が岡田眞澄で「岡田眞澄出たが!?」とめちゃくちゃ喜んだのも束の間、忍者に襲われてすぐさま退場となります。そんな……ファンファン刑事をもっと見ていたかったのに……。

③殺陣シーンがすごい

監督はとても日本の時代劇がお好きということで、忍者・ジョンローンと侍・原田芳雄が戦うシーンはめちゃくちゃ見応えがありました。動きもかっこいいし迫力もあり、ここは俳優陣の力量のすごさでもあると思います。

④キャラが立っている

総合的に見てどうにもショボさが否めない作品ではあるのですが、キャラクターの個性がそれぞれ光っていてかなり良かったです。激シブ原田芳雄と強くて美しい島田陽子、「外人パワーだ」とか言って殴ってくる主人公(他に褒めどころないのか?)、あと原田芳雄の仲間で刀鍛冶のアル中じいさんが出てくるんですけどこの人があまりにマイペースキャラでとてもよかったです。ジョンローンは、まあ……

そんな感じでした。面白くなかったけど面白かったなあ。なんなんだろうこの感じ……

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?