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Roxy Music / For Your Pleasure (1973)

ロキシー・ミュージックの初期における最高傑作であり、ブライアン・イーノが参加した最後の作品がこのセカンド・アルバム。

全曲を書いたブライアン・フェリーを中心に、ヨーロッパ的な耽美で頽廃的な香りと色気、尖ってポップなアート・センス、創造性と実験精神、そしてジャケットのアートワークの洒脱さ、クールさ、倒錯など、ロキシーらしさが突き詰められ、一つの完成形に達したといえる。

名プロデューサー、クリス・トーマスが手掛けたA面のポップ・サイドと、組曲のような3曲で構成されたB面のエクスペリメンタル・サイドに分かれた本作は、フェリーの美学とイーノの実験が拮抗しながら危うく共存。アンディ・マッケイによる勇猛果敢なサックスやイーノの狂気じみたシンセなども効果的に挟みながら、アヴァンギャルドなアート・ポップが徹頭徹尾貫かれる。

グラム・ロックの枠を超え、70年代~パンクをも飛び越えて、ニュー・ウェイヴ以降の音楽まで多大な影響を与えた名盤。



50周年を迎えたロキシーの2作目。
どうしてもイーノに注目してしまいがちな僕だけど、こうして聴くとフェリーの方のブライアンの面目躍如といったところか。
本作限りでバンドを去る”ポップ・アイコン”のイーノがいなくても、自分が背負って立つのだという、フロントマンとしての気概を感じられる。
危険な匂いや妖艶さ、そしてデカダンスやアヴァンギャルドの香り。
フランツ・フェルディナンドあたりにも直結するような、独自の美学を貫いた傑作です。

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