![Auctionity_月次開催オークション数](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13060451/rectangle_large_type_2_7a8433de02e31e57fb138cffdbdf727f.png?width=800)
NFTライブコマースのAuctionityではどのような取引が行われているのか?
NFTの取引プラットフォームとしてはOpenSeaが有名です。OpenSeaはマーケットプレイスとして、各自がNFTを出品し、購入者とコントラクトを通して売買を行います。
昔、OpenSeaを含むNFTマーケットの取引を分析した記事をMeduimで書きましたので、取引ボリュームなどの概観を知りたい方はこちらをご覧ください。
https://medium.com/catabira-japan/nft-market-analytics-c6f0428a973
NFTのライブコマースサービスAuctionity
NFTライブコマースのAuctionityというサービスがあります。こちらはライブ配信でNFTを紹介して、オークション形式で販売するサービスです。AuctionityのライブではSeller(販売者)、Bidder(入札者)、Auctioneer(競売人)の3者が登場します。公式ブログから引用した以下の図ではオークションの流れが書かれています。SellerとBidderだけが存在していますが、実際には配信で盛り上げるAuctioneerが存在します。
引用: https://www.auctionity.com/decentralizing-ascending-auctions-on-blockchain/
SellerはNFTを販売するためのオークションの入札条件や期限を設定してオークションを作ります。Bidderはオークションに入札します。オークションを盛り上げるため、Auctioneerがライブ配信をして、多くのBidderにオークションを見てもらう役割を担います。
Auctionityによるライブ配信
リアルタイムのライブが配信されていることもありますし、ライブ配信した販売動画もオークション終了まで再生でき、繰り返し見ることもできます。NFTの説明やゲーム内での活躍方法の紹介を受けることができます。
Sellerはあらかじめコミュニティへの還元率を0%~50%で決めておき、そのうち20%がAuctioneerへ還元されます。還元率が高いものほどAuctioneerから宣伝を受けやすくなっています。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=WftW8u5uru8
他人の出品物を競売人が自由に宣伝でき、宣伝した分は取り分が入るインセンティブで仕組みが回っています。
DappRadarでMarketPlaceカテゴリを見るとAuctionityが1位となっている
DappsランキングサイトのDappRadarでMarketPlaceカテゴリを見ると、何とAuctionityにOpenSeaより多くのユーザーが存在しています。
スマートコントラクトでオークションが行われているので分析できる
オークションの入札やNFTの交換はOpenSea同様にスマートコントラクトで行われており、コントラクトへの預金、入札、約定などの関数が整備されています。
オンチェーンで取引が行われているため、データは公開されています。今回はデータからどの程度のオークションが行われたかや、最終落札額の分布などの分析を行なっていきます。
NFTオークションデータの分析
【条件】
・分析期間は 2019/01/01~2019/6/30
・ETH/USD換算はFiatContractによってEthereumブロックチェーンに書き込まれたレートを元に行う
・オークション最終落札額はAuctionityコントラクトが出したauctionEndVoucherのイベントログから抽出して算定する(イベントログで記録されている情報は以下の通りです)
event LogAuctionEndVoucherSubmitted(
bytes32 tokenHash, // token情報
address tokenContractAddress, // tokenのコントラクトアドレス
uint256 tokenId, // 取引されるtoken
address indexed seller, // 出品者
address indexed winner, // 落札者
uint256 amount, // 落札額
bytes32 auctionEndVoucherHash // オークションのハッシュ
);
概観分析 - オークション数の推移はやや横ばいなものの、3月以降の毎月4000件以上は行われています
オークション数は右肩上がりではないものの、毎月4000件以上は行われています。解析対象のイベントは1月3日から発生しており、3月までは上昇しています。
売上分析 - Auctionityの売上は3種類のアセットで99%以上の割合が占められています
Auctionityでは6月までで6種類のアセットが扱われてきましたが、CryptoKitties, Etheremon, MLB-Championsの3種類のアセットが売上の99%を占めていることがわかります。KnownOriginDigitalAsset, Chibi Fighters, BlockchainCutiesなどはAuctionityでほぼ流通していないようです。
ユーザー数分析 - 出品者、落札者共に上位20アドレスで99%の流通額合計を占めていました
ユーザー数を分析してみます。以下は出品者毎の流通総額を占める割合です。なんと上位20アドレスで99.26%の流通額合計を占めていました。
落札者も上位20アドレスで99.27%の流通額合計を占めていました。
これは果たして正常な市場なのでしょうか。今回はこちらのデータを掘り下げて仮説を出していきます。分析にサーバー代などもかかっているため、以下は有料部分にしたいと思います。
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