見出し画像

【樋野興夫】『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』

同書からの抜粋となります。

2章 自分の人生を贈り物にする


明日この世を去るとしても、
今日の花に水をあげなさい


「もし明日世界が終わるとしても、
私は今日もりんごの木を植えるでしょう」
 マルテイン・ルターが言ったといわれている言葉です。
 私はこれをもじって
「もし明日この世を去るとしても、
今日の花に水をあげなさい」
という言葉を患者さんにお贈りしています。

 もし明日死んでしまうとしたら、あなたは何をしますか。
 明日までの命と刹那的な気持ちになって、
好きなものを好きなだけ食べたり、
好きなことを思う存分やったりと享楽におぼれますか。
 部屋に閉じこもり、恐怖におびえ、わが身の運命を嘆き悲しみますか。
 それともひたすら天に祈って過ごしますか。

 マルティン・ルターは
「りんごの木を植える」
と言っています。
私は
「花に水をあげなさい」
とお伝えしています。
りんごの木を植える。
花に水をあげる。
そこには
「一人ひとりに与えられた義務を果たす」
という意味もありますが、
もっと大事なメッセージが込められています。
 なんだと思いますか。
 自分以外のものに関心を持つこと。
ルターは「りんごの木」、私は「花」
という単語にそれを託しています。

 役割や使命は、
自分のことばかり考えているうちはなかなか見つかりません。
むしろ自分以外のものに関心を持つと、
自分のするべきことが見えてきます。

 内村鑑三は
『後世への最大遺物』
でこう記しています。
「後世へ遺すべき物は、お金、事業、思想もあるが、
多くの者がその才能を持ち合わせてはいない。
だからといって子孫に何も残せないかというと
決してそんなことはない。
誰にでも残せる最大の遺物がある。
それが勇ましい高尚なる生涯だ。
善のために戦うまじめな生涯そのものが
最も尊く価値のあるものなのだ」

「私が、私が」という人生よりも、
自分以外のものに死ぬまで関心を持って生きる。
それこそが内村の言う
「高尚なる生涯」
ではないでしょうか。

自分以外のものに
関心を持つと、
やるべきことが見えてくる。

誰にでもその人にしか残せない
贈り物がある。






こちらの内容は、

『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』

発行所 株式会社幻冬舎
著者 樋野興夫
2015年8月5日 第1刷発行

から引用させて頂いています。




よろしければ、サポートよろしくお願いします❤ ジュニアや保護者様のご負担が少ない ジュニアゴルファー育成を目指しています❕ 一緒に明るい未来を目指しましょう👍