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希少がん闘病おじさん。 人間誰しもこの世を去る時が来るけれども、その形や速度は平等では…

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希少がん闘病おじさん。 人間誰しもこの世を去る時が来るけれども、その形や速度は平等ではなく、 その日までいかに過ごすかの話。

脳腫瘍手術前にて、メッセージを残します。

1.公平世界仮説の話　最初に公平世界仮説（又は公平世界誤謬）の話をします。善行は最終的に報われ、悪行は最終的に罰せられるという認知バイアス（人間が陥りがちな非合理的判断傾向）の事です。 　この認知バイアスは、幸福感や未来への希望を提供してくれるものではありますが、犠牲者非難を生むものでもあります。誰にでも理由なく被害が生じる現実を認めたくない為に、犠牲者にその原因を求めてしまう心理です。例えば、新型コロナの犠牲者の話を聞く時に、そういった心理になっていないでしょうか。 　

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    • がん治療の意思決定は、クトゥルフ神話TRPGの意思決定と似ている。延命処置と緩和ケアの狭間で。

      クトゥルフ神話TRPGの意思決定は、特殊です。 クトゥルフ神話TRPGとは、作ったキャラクターになりきって、用意されたシナリオの中で意思決定していくゲームです。 そのシナリオは、公式が提供するものもあれば、ユーザが作成したものもあり、共通するのは架空の神話であるクトゥルフ神話を世界観としているところです。 クトゥルフ神話TRPGは非常にシビアなゲームで、キャラクターが正気を保ちながらシナリオの最後まで生き残れば良い方と言われています。 その意思決定で厄介なのが、通常の意

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      • 全人類が患う死病を、余命者のひとりが考えれば。月ノ美兎様配信を見て。

        私は、バーチャルYouTuber（※1）である月ノ美兎様のデビュー時からの視聴者で、この方の考え方は理知的かつユニークで面白いと感じて来た。 　※1 バーチャルYouTuber……動画配信サイト｢youtube｣にて、2D又は3Dのアバターを使って配信する方の事。 最近では、死の概念を知ったタイミングやその時の気持ちを知る配信もされていた。 この方の考え方は余命宣告された方々の考え方に似ていると思ってきたが、自身がほぼ余命宣告に近い状況となってみると、"相対的に"似ている

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        • なぜ物語で不老不死は否定されなくてはならないのか？

          悪役は不老不死を求め、主人公に討たれる。 多くの物語で使われる型（テンプレ）であり、型となる以上は万人に受け入れられているものでもあります。 実際、大人気アニメ「鬼滅の刃」でも、主人公の竈門 炭治郎（右の人物）とその仲間が、不老不死を求める鬼舞辻 無惨（左の人物）を討たんとします。 鬼滅の刃もそうですが、物語の中で不老不死は悪役が求めるものであり、主人公は有限の生を是とする事が多いです。 これはなぜなのでしょうか。 1.有限の生を生きる読者は、不老不死に嫉妬する。 現代

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        脳腫瘍手術前にて、メッセージを残します。

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        • がん治療の意思決定は、クトゥルフ神話TRPGの意思決定と似ている。延命処置と緩和ケアの狭間で。

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        • 全人類が患う死病を、余命者のひとりが考えれば。月ノ美兎様配信を見て。

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        • なぜ物語で不老不死は否定されなくてはならないのか？

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          日本社会におけるパッケージ化された死、逃げではない物語の必要性

          新型コロナが猛威をふるっている。 メディアでは、その感染者数や死亡者数が連日報道されている。 感染リスクを恐れて仕事を辞めたり引きこもったりする方の話も聞く。 一方で、感染リスクがないかのように他者との接触を繰り返す方の話も聞く。 1.人間は、メディアから提供される物語を内面化する。 もしも、人間以外の獣たちにその新型コロナの知識と感染性を植え付ける事ができたら、その獣たちはどのような行動を取るだろうか。 私の考えだが、狩りは通常通りに行うが、獣同士で接触しないように距離

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          日本社会におけるパッケージ化された死、逃げではない物語の必要性

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          自分への余命宣告を受け入れる為のメッセージ

          　あなたは無限の後悔の中にいると思う。「あの時ああしていれば良かった」「あの時にどうしてあれをしなかったのだろう」。その後悔を誰かに話した時に、「そのようにしていれば良かった」と非難された事もあるかもしれない。 1.今の状況がベスト。 　だけれども、その後悔や非難は間違いで、あなたとあなたの周囲の方々はその時のベストを尽くして来た。一般的に考えて、その行動を取れた方がどれだけいただろうか。たとえその行動を取ったとしても、本当により良い結果となっていたか疑問だ。その行動をし

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          新型コロナ罹患記録（2021年8月、院内感染⇨抗体カクテル療法）

          1. はじめに　この記事は、2021年8月末に新型コロナ陽性と診断された著者が、罹患記録として残すものです。新型コロナ以外の理由で入院中に院内クラスターが発生し、それに巻き込まれる形での感染となります。その為、陽性判定前からの入院・隔離であり、新型コロナの治療プロセスとしては、少々特殊なものになるかと考えています。 2. 私（罹患者）の背景情報　私は30代男性で、コロナワクチンの接種はありません。※1 　新型コロナとは別の理由で入院していましたが、呼吸器系統の疾患ではないの

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          　軒先で雨宿りをしていたカラスは、いつの間にか去っていた。処方された抗てんかん剤は眠気を誘うらしく、うたた寝をしてしまったらしい。 　六人部屋の病室で同室三名の新型コロナ感染が確認されたために、陽性とは直接言われていないが個室の病室に隔離されたのが昨日の事だ。発泡スチロール製の食器での食事は、なんとなく味気なく思える。 　私は、コミュニケーションが上手い方ではない。特に、入院患者の方は年嵩の方が多く、自分の父親世代の方と何を話していいか分からない。その為、六人部屋の時も個

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          入院患者から見た新型コロナ院内感染

          　現実は予想外の連続で、何一つ予想が合う事はない。ただ、今回の件に関しては、伏線は用意してくれていたらしい。 　予定が決まっていない時の入院患者の生活は暇そのものだ。看護師の方にバイタルサインを計測してもらい、朝食を頂いて薬を飲み、医師の方の検診を受け、テレビやインターネットを楽しんで、薬によって眠くなったら寝る。そして、昼食を頂き……夕食を頂き……といった形だ。 　本日もそうなるのだろうと、朝食後の歯みがきを行っていたところ、若い看護師の方々が口々に「やばいじゃん」と話

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          夢を見ないように、夢で会わないように。

          　私は何に怒っているのだろうか。大部屋の病室にあふれるおじいさんの糞尿の臭いにだろうか。遠くで叫ぶ痴呆症のおばあさんの声にだろうか。はたまた、それらがそのままになっている病院の体制にだろうか。それらもあるかもしれないが、何よりも夢見の悪さが原因として大きい。 　夢の内容は単純だ。屋根から屋根へ映画マトリックスのように次々に跳び、何かから逃げる夢だ。その何かが怖かったわけではない。むしろ、その何かから逃げおおせている事に、大怪盗ルパンになったかのような興奮を覚えていた。良い夢

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          夢を見ないように、夢で会わないように。

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          はじめてのてんかん発作

          　コロナ禍の為にテレワークで作業をしていた私は、飲み物を取ってこようと立ち上がろうとしました。確か午後4時頃で、この進捗だと今日も残業かと辟易していたのを覚えています。立ち上がった時、いや、立ち上がる途中で気づいたのが、左足がまるまる痺れて硬直している事です。腕枕をして起きたら腕が動かなかった経験はありませんか。ちょうどあのような硬直が理由もわからず、左足に起こっていたようなものです。 　私は生活費節約目的で一人暮らしから実家に戻っていましたので、家の中には母親や弟がいる事

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          はじめてのてんかん発作

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          「またね」を言えなくなったら

          　あなたが不治の病を患ったら、それを「家族」「会社」「友人」の誰に告げる事が一番難しいでしょうか。私の場合は「友人」であったようです。「家族」や「会社」には、今後起こりうる事態を理解してもらわないといけないという義務感から告げることができましたが、「友人」には告げないという選択肢が残ってしまいます。むしろ、このまま告げないでおくことで、コロナ禍で何年も会っていない知人となってフェードアウトする方が、私が亡くなった時の影響も少なくできて良いかもしれない。そのようにも思ってしまい

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