大きすぎる
昨晩は柔道女子男子団体戦を見守りながら床に着いておりました。
その結果は、善戦ながらも日本代表は金メダルには届かずという結果となりました。
特に印象的だったのは、男子100kg超級の斉藤立選手の試合と、その後のインタビューでした。
「顔向けできない」
「申し訳ない」
試合が終わって、斉藤選手が真っ先に抱いた感情は、他者に対する気持ちであったことを受け、
大きすぎる
と思いました。
身長191cm、体重170kgという身体も(もはや想像もつかない)、
極限状態に於いて真っ先に出てきた言葉が他者に向けての言葉である、という心も、
22歳、日の丸を背負って戦うという覚悟、プレッシャー、
何から何に至るまで、斉藤選手を構成するものすべてが大きすぎると思いませんか。
僕は今の彼と同じ22歳の頃、何をしていたでしょうか。
何か大きなものを一つでも抱えていたかと問われたら自信がありません。
なら、30歳の今はどうでしょうか。
大きすぎるものより、軽すぎるものを選んで抱えているような気がします。
この試合の結果を、
銀でもすごいじゃないですか、
と気軽に発することは、優勝を目指して突き進んだ選手の皆さんを真に励ますか、真に心を癒すのか、自信を持てないのです。
その上で、試合を観て僕の心から率直な感想は、
息をするのも、瞬きをするのも忘れるような試合だった、でした。
今日の大阪が、まるでDeath Valleyにいるかのように錯覚させるほど暑いのは、きっと皆が、太陽が、試合を観て燃えたからなのでしょう。