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【VISIONING VOICE Magazine #11】 「複業を日本の当たり前に」 〜Another works 大林 尚朝さん~

NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」 📖

「VISIONING VOICE」は日経グループとコラボし、次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。
パーソナリティは、長年スタートアップを取材している日本経済新聞社・上田敬さんと、NEXs Tokyoコミュニティスタッフ・閏野が務め、番組をお届けしています。

今回はJUMPコース(東京発)のスタートアップ、株式会社Another works 代表取締役の大林 尚朝(おおばやし なおとも)さんにインタビューさせていただきました!

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<登壇者プロフィール>
大林 尚朝(株式会社Another works 代表取締役)
早稲田大学在学中、株式会社リアライブに参画しマーケティング責任者として強固な集客基盤を構築。株式会社パソナに新卒入社し、顧問やフリーランスを業務委託紹介する新規事業に従事。史上最年少での年間最優秀賞受賞など、ギネス記録を数多く樹立したのち、2018年に株式会社ビズリーチのM&A領域の新規事業における創業メンバーとして参画。2019年5月7日に株式会社Another worksを創業、日本初の成功報酬無料の総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を展開、現在に至る。
Another works公式サイト:https://anotherworks.co.jp/
複業クラウド公式サイト:https://talent.aw-anotherworks.com/

成功報酬不要の人材採用

企業や自治体と複業したい個人を繋ぐ「複業クラウド」を展開する、株式会社Another works代表取締役の大林 尚朝さん。複業クラウドは人材業界では画期的な成約手数料が発生しないサブスクリプションサービスで、月額の固定費の中で案件を無制限に掲載でき、さらに何人でも採用することが可能です。

スクショ(事業紹介)

大林さん:職種も全職種カバーしているので、どんな職種でも採用することができます。また、スカウトサービスも無制限で使うことができます。現在約600社ほどに導入され、最近ではスポーツチームが複業クラウドを使って、人材を募集した事例もあります。自治体との連携も進めており、14都道府県15自治体で導入されました。自治体が町おこしや地方創生に取り組む際、アドバイザーとして都市部に住む知見のある複業人材を登用するのに活用されています。また、登録者も24,000名ほどになりました。

―― 類似サービスも誕生してきていますが、複業クラウドの強みはどこにありますか?

大林さん:確かに複業は業界でも注目されている領域ですが、プラットフォーム型で人が介入せずに人材紹介を行っている企業はそう多くありません。サービスを開始して2年になりますが、この間に蓄積された複業人材のマッチングに関する知見とデータ量にはかなりのものがあります。実際に2年で約18,000件がマッチングされました。それに、プラットフォームをつくる裏側には大変な労力と費用が掛かっています。これらは一朝一夕で真似できるものではありません。

―― 求人を作成するお手伝いもされているそうですね。

大林さん:はい。特に自治体は課題認識ができても、それを複業人材の要件に落とし込むノウハウがありません。そのため、私たちのマッチングの知見と、私自身の人材紹介のキャリアの経験から求人のお手伝いをしています。

【核心】インターンでも会社に貢献できる

―― 大林さんはいつ頃から起業を意識されていたのですか?

大林さ大林さん:祖父も父も大分県で会社を経営していて、幼い頃から「いつか起業しろ」と言われて育ちました。自分が命をかけてでもやりたいことや、1番になれることを突き詰めてそこでビジネスを起こせと耳にタコができるほど言われていたんです。ところが、学生の間にはこれというものが見つからず、一旦は就職をすることにしました。

―― 人材業界を選ばれたのはなぜですか?

大林さん:家庭環境が大きいと思います。学校から家に帰ると社長である父がいて、従業員がいるというのが私にとっての日常でした。その中で、従業員から父はどう見えているのか、あるいは、父は従業員をどうマネジメントしているのかといった労使関係に興味が湧きました。そこで大学では法学部を選び、労働法を学びました。学生時代も人材企業で2年間インターンとして働き、そこで学生ながらも会社に大きく貢献することができました。これが原体験となり、会社を変える「人」に雇用形態は関係ないのではないかと考えるようになりました。たとえば、正規雇用には解雇が難しいといったリスクもありますが、業務委託契約にはありません。そこで、今後はもっと業務委託契約が注目されるのではと思ったのです。

―― 最終的に起業を決断されたきっかけは何ですか?

大林さん:私は1社目で営業成績トップでしたが、失注もそれと同じぐらい経験してきました。その理由を考えた時に、成功報酬で利益を得るビジネスモデル自体を変えないと課題を乗り越えられないと感じたのです。営業で志ある経営者に多く出会う中で、さまざまな人材の要望をいただきましたが、ベンチャー企業にとって数十万円の紹介手数料は大きな負担です。採用費が高額すぎるがために、前に進めない企業を救いたいと思ったことがきっかけです。

―― 起業することをお父様に伝えた時の反応はいかがでしたか?

大林さん:喜んでくれていましたね。父の会社もそうですが、地方は都市部以上に人材不足で困っています。コロナ禍でオンライン化が一気に進み、地方の案件に都市の優秀な人材が参画できるようになりました。ゆくゆくは東京の優秀な人材が父の会社で働くというのは、私の夢でもあります。複業クラウドで、人材不足に悩む地方の中小企業の力になっていきたいです。

スクショ(核心)

【革新】複業の新しい可能性

―― 大林さんがアップデートしたい課題は何ですか?

大林さん:1つめは人材業界の既存のビジネスモデルです。人を採用するにはお金がかかるという固定概念を払拭したい。高額な費用を払わなければ、優秀な人や即戦力となる人は採用できないというのは違うと思います。そうではないやり方でも優秀な人材が採用できることを示していきたいですね。2つめは複業自体への価値観を変えたいです。当社では副「副」業ではなく、「複」業と記述しています。それは複業は必ずしも金銭報酬を目的としたものではなく、感情報酬や経験、キャリアといったお金ではない報酬が目的となり得るから。本業があっての副業ではなく、どれもが価値をもつ仕事だからこそ複業としています。自治体と連携することで地方紙に取り上げられる際、「複業」の字が使われることも多く、嬉しく感じています。

【確信】本業を辞めない挑戦の在り方

―― 大林さんが欲しい未来は何ですか?

スクショ(確信) (4)

大林さん:「複業で挑戦者の選択肢を最大化する」ことです。「挑戦したいすべての人の機会を最大化する」というのは当社のミッションでもありますが、何かやりたいことができても、転職や起業をして環境を大きく変えるのには勇気がいります。でも、複業は今やっている仕事も辞めることなく挑戦できるという点で、非常に魅力的な選択肢です。たとえば、地方で何かをやりたいと考えた場合、最適な案件に出会えれば引っ越しをしなくても関わることができますよね。一方、自治体や企業も、自社に足りない知見や経験や人的資源を、複業という形で全国から集めることができます。そこに、私がつくらなければならない未来があると考えています。

複業人材が地方を救う

―― 最後に、大林さんがこれから出会いたい人について教えてください。

大林さん:これまで述べてきたように、特に地方の力になっていきたいと考えているため、自治体と多く連携していきたいです。自治体に対しては、プロデュースやコンサルも行っていきます。また、複業を世の中の当たり前にするための啓蒙活動も行っているので、一緒に活動してくださる団体とも出会っていきたいと思います。

当日の写真 (6)

―― 大林さん、ありがとうございました!

番組ではその他にも、大林さんの原体験や起業までのエピソードについて、より詳しいエピソードを聞くことが出来ます。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!

次回はDIVE(地域発)コースのスタートアップ、リスク計測テクノロジーズ株式会社 代表取締役 岡崎 貫治さん(おかざき かんじ)さんにご出演いただいた#36の記事です!

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