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ストリート・メディカル

ストリート・メディカル(Street Medical)」という言葉を皆様、ご存知でしょうか?
私も今回紹介する書籍を読むまでこの言葉は知りませんでしたが、この取り組みの一部については、前々から耳にすることがありました。

従来の医療と言うと、「病の治療」という印象が強いと思います。
「外科手術」、「内科的治療」が一般的なイメージであり、あくまで「病(Disease)」を対象となります。
また、その担い手は医療従事者、主に医師が担います。

一方、ストリート・メディカルは、「病(Disease)」に焦点を当てるのではなく、「患者」、「患者の家族」、「患者を取り巻くコミュニティ」等の「人(Humanity)」を対象としています。
また、その担い手は医療従事者だけでなく、専門性が異なる様々なプレイヤー(IT関連、服飾関連、建築関連、etc.)も含まれ、異分野のスペシャリストが協業することにより生み出される「新たな医療のカタチ」がストリート・メディカルと言えます。

本書では、「時代とともに変化する医療の在り方」、「ストリート・メディカルの事例」、「社会実装に向けた取り組み」についてわかりやすく紹介されています。

本書の中でも取り上げられている「未病」に関しては、私自身も前々から関心があり、特に生活習慣病関連に関しては非常に重要であると考えています。
」があるから生活習慣病になっても大丈夫と考えるのではなく、「」の治療が必要になる前にできることは何かを個々が考え、実行できる社会の構築こそ、「人生100年時代」において最も重要だと感じています。

病で苦しんでいるのは患者だけでなく、その家族も苦しんでいる点についても本書では取り上げられています。
家族へのケアまでなかなか手が回らないのが今の医療の現状ではありますが、見方をを変えれば患者の家族までケア可能な「新たな医療」にはまだまだいろんな可能性があるということになります。

ストリート・メディカルの社会実装には、お金の側面、人材の側面等まだまだクリアしていかなければいけない課題は多々ありますが、近い将来、実証実験を通じてその有用性と社会的意義が証明されていくものと思います。

私が著者の武部先生の存在を知ったのは2年前。
当時、自分と2つしか変わらないに横浜市大の最年少教授ということですごく驚いた記憶があります(日本で教授になるのは早くても30歳代名半ば以降のイメージがあったので)。
自分と歳の近い先生が、医療の未来を考え、実行している姿を見ると、私自身ももっと世の中のためにできることをやりたいという気持ちが強くなりました。
将来、本業である「」だけにとらわれず、「医療」というより大きな括りで社会貢献できればと思います。


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