動画で情報発信:カメラ目線で話すにはプロンプターが一番!?
新型コロナウィルスの影響で、今後オンライン動画活用はさらに増えていくのだろうと感じています。
動画で情報発信をする人や企業も増えるでしょう。
さて、そんな時に避けて通れないのが、「カメラに向かって話す」という行為です。
「講師が専門分野について話す」
「自分の会社について社長が話す」
「自社商品の使い方を社員が話す」
「個人が好きな趣味について話す」
いろんなパターンがありますが、原稿なしでカメラに向かって話し続けるのは、難易度が高い。
そこで「プロンプター」を使うといいんじゃないか、と考えるわけです。
プロンプターとは、パソコンの文字などをガラスに反射させる機械。
これを使えば、ガラスの向こう側にあるカメラを見たまま撮影ができるのです。
とはいえ、本格的な機材は大きくて高額。
そこで今回、スマートフォンで使える小型のものを購入して使ってみました。
その体験レポートをお届けします。
プロンプターのレビュー
◎購入したのはこちら
ポータブル・テレプロンプター YS-ZX5
小型のプロンプターもいくつか種類があります。
調べた中では「Parrot2」というものが一番小さかったのですが、これは一眼レフなどカメラのレンズに装着して使用するタイプ。
僕は「撮影するカメラもスマートフォン」にこだわったため、上記製品を選びました。
(同時に、一眼レフやビデオカメラでも使えますし)
◎セッティング
プロンプター本体を三脚につけて立てます。
撮影用のスマートフォンは、プロンプターの背後にゴムで挟み込む仕組み。
笑ってしまいましたが、合理的で感心しました。
これならスマホ本体のサイズが変わっても大丈夫ですね。
立ち位置と目線
◎立ち位置
つまり、プロンプターとどこまで離れて立つかが問題ですね。
スマホ用なので本体も画面も小さい。
視力的に、せいぜい1.5メートルくらいの距離が精一杯でした。
自然と、バストアップの映像となります。
◎目線
次に気になるのは目線です。目線はプロンプターに表示された文字を追ってるので、左から右・上から下へと動きます。
ちょっとでも視点が動くとやっぱり「ああ、読んでるな」と分かります。
◎プロンプターを使わない手も試してみました。
カメラの背後の壁に、プロジェクターで文字を投影し、それを読むことで、プロンプターと同じような効果があるんじゃないか、と。
でも、目線が動くのは改善されるどころか、むしろ左右に大きく動く結果に。
また、目線がどこか遠くを見ているようで(実際に見ている)、心ここに在らずな印象の映像となりました。
僕的にはNG。
アプリで文字を出す
◎文字の出し方を自分向けにカスタマイズしたい。
いろいろいじっているうち、機材そのものよりも文字の表示の仕方の方が大変だぞ、と思い始めました。
スマホアプリを調べてみると、これまたいろいろあるんですね。
その中で、一番いいなと思ったのは<Parrot Teleprompter>。
・文字が自動的に流れていく設定ができるので、一人で撮影ができます。
・文字サイズ、行間、流れるスピードなどもかなり細かに調整できます。
※専用の機器を買えば、リモコンもついてくるみたい。
あえてマイナス点を挙げると、やっぱり再生スピードがどのくらいがいいのかとか文字サイズとか、何度かテストが必要になりますね。
※専門業者にプロンプターをお願いすると、こちらの話すスピードに合わせて手動で文字を送ってくれます。
◎アプリを使わずにできないか
パワーポイントを使ってスライドを作成した後、文字を反転表示させてみました。が、これを作るのがそもそも面倒臭い、という感想です。
◎BIGVU
BIGVUという有料アプリも面白いかもしれません。
こちらは、そもそもプロンプターを使わず、そのまま文字を表示しながら撮影できるアプリです。
僕の結論
個人や小さい規模の発信の場合は、
「機材の使用はほどほどにしよう」と思いました。
読み方が上手くなくても、自分の言葉で話した方がいいです。
動画はその人となりを伝えるためのものだから。
そのために、僕が普段とっている方法を3つご紹介します。
1)ときおり、目線を外す話し方をする
話しながら、ふと考えるふりをして、メモをチェックする、という話し方です。
僕はかなりこれをやります。
ただ、多少の演技力を必要としますね。
こう見えて(?)、僕は学生時代6年間、舞台役者をやってました。
2)キーワードだけメモしておく
1)ともつながりますが、カメラの隣にメモを書いた紙を貼っておいて、チラチラ確認する。
また、プロンプターを使うにしても、キーワードとか目次だけを表示させるくらいがちょうどいいと思います。
3)編集でごまかす
場合によっては、手に持ったメモをがっつり見ます。ただ、その部分だけ編集でカットする。
できる限り頭と肩の位置をできる限り固定して話せば、途中をカットしてもほとんど気にならない繋がりになります。
もう一つ別の方法もあります。
そもそも原稿を書く段階で、数分おきに適度に挿入画像を入れる構成にしておくのです。
これらは、編集の手間が発生するので、編集ができる人向けですね。
* * * *
プロンプターを使いたい!というのは、話し手側の都合です。
そして、プロンプターを使っていることは、まず間違いなく伝わります。
その動画を見る人にとってどう見えるのか、どう伝わるのか、を考えて撮影すること。
これが本質ですね。
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オリカワシュウイチ
映像クリエイター/絵コンテコーチ
初心者の映画制作をサポートする活動を全国で続ける。埼玉在住。
仲間ゼロ・カメラ1台から映画作りをスタートし『映画工房カルフのように( http://karufu.net/ )』を立ち上げ、セミナーやワークショップを通して、これまで1000人以上に映画作りをアドバイスする。スタローンに生で会ったことのある広島県人。著書に『事例で学ぶ1分間PR動画ラクラク作成ハンドブック』『iPhoneで作ろう ビジネス動画の教科書』(共にペンコム)がある。
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