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[レポート]ニュートラの学校 新潟訪問記


ニュートラの学校入門編セミナーin新潟の翌日、事務局スタッフが新潟および周辺地域で活動している福祉施設やショップなどを訪問しました。

まずお伺いしたのは、「NPO法人あおぞら」さんの拠点「あおぞらソラシード」。http://www.aopoco.org/
新潟市市内から車で30~40分、阿賀野市の五頭山嶺にある自然豊かなスペースです。

まだ暖かい季節とはいえ、市街にくらべてぐっと気温が下がります。

木々の間を抜けると木造の建物が。まずは代表の本多佳美さんによる活動の紹介ののち、見学へ。まず見せていただいたのは「あおぞら着火剤」の製造。近隣の葬儀場などで余った蠟燭と細かく砕いた木材を固めて作っています。たまたまこの日に来ていた実習生の男の子が、まるで何年も働いているかのように説明をしてくれました。

着火剤の材料として使う、使用済みの蝋燭
作り方のコツを丁寧に説明してくれる実習生さん
蝋と木屑を固めて着火剤の完成

メインの建物に入ると、アロマミストやバームの化粧品製造エリアへ。衛生面に最大限に配慮したスペースや、地元の水や植物などの素材を最大限に生かして蒸留してつくるアロマミストづくりなどを実践されていました。また、県外のメーカーと連携したOEM製造や、少量の試作品づくりも。近年では、曲面の容器にも印刷ができる「パッド印刷」にも取り組んでいて、製造した化粧品のパッケージ印刷までが一貫して自分たちの仕事としてできるようになっています。

黙々と作業をするメンバー。プロフェッショナルな背中。
代表の本多佳美さん。1日視察に同行いただきました。
パッケージの仕事も。
蒸留器をつかってアロマを抽出
パッド印刷の道具。容器への印刷も自分たちでおこなう。

その後向かったのは、2015年からあおぞらさんが運営する「熊と森の湯」。生活介護の事業所として活用しながら、障害のある人や小さな子どもでも利用できる天然温泉を運営されています。貸切や宿泊、アウトドアのイベントなども行っていて、こちらも地域の自然を存分にいかした取り組みでした。温泉のある福祉施設、最高です!

ロゴはhickory3travelersさん。かわいい。
「熊と森の湯」
温泉最高!(入りたかった)
敷地内も魅力的なフィールドに。
集めてきた実や草はクリスマスリースのワークショップに。

新潟市内に戻り、お昼を挟んで向かったのは、「エフスタイル」のショールーム。https://fstyle-web.net/top.html
新潟出身の五十嵐恵美さん、星野若菜さんが、デザインから販路開拓まで、地域のものづくりをいまにつなげるプロダクトを展開しています。はじまりはお二人が大学在学中に取り組んだ山形の月山緞通さんとの緞通(絨緞)づくり。現在は地域の作り手と取り組む製品が店内に並んでいます。


気持ちのよい空間にプロダクトが並ぶ。
初期の代表作のラグマット。山形の月山緞通さんとのコラボ。
店舗では地元の作家のプロダクトを積極的に紹介していく
開発に3年をかけたという、締めつけを感じない靴下
丁寧にプロダクトの説明をされる星野さん
身につけているものから、ものを大切にする姿勢が伝わってくる
ヒッコリーの迫さんとは年齢も近く、同級生のような関係とのこと
水や汚れに強い布地「ステインプルーフ」。端切れからまた製品をつくる


一貫しているのは、つくり手とたちと会い、対等な関係をつくりながら今の生活にあうものづくりをこころがけていること。ニュートラの考えにもつながる取り組みだと思いました。NTの学校入門編でもお世話になった、hickory3travelersの迫さんとも久しぶりに再会。「年代も近いし、活動を始めた時期も似てるし、同級生みたいなものですね!」と話されていたのが印象的です。

最後に伺ったのは、オーダーメイドの手織絨緞専門店「tricollage」。日本でオーダーデザインをして、モロッコやネパールの織り手による絨毯が購入できるという数少ないお店です。

写真左が小林さん。本多さんとも再会!


デザイナーの小林あかねさんは、かつてGood Job!プロジェクトでも紹介させていただいた、新潟の障害のある人たちとのものづくり「つばめキャンドル」をプロデュースされていました。現在はご縁があってこのお仕事に就くことに。見せていただいたのは「家族のじゅうたん」。たとえば家族の数に合わせて柄を変えたり、象徴する植物をあしらったりすることもできるそうです。小林さんいわく「絨毯職人たちはデザインを待っている」とのこと。伝統を受け継ぐ確かな技術があっても、そこに寄り添うデザインが大事だということを実感しました。

店内にはあちこちに絨毯が並ぶ
「家族のじゅうたん」。人数にあわせて鳥の数を変えたりと、オーダー可能。
思わず手触りを楽しむ。本場の絨毯の魅力が詰まっている

めまぐるしい1日のなかで、あおぞらの本多さんに同行いただきました。本多さん、ありがとうございました!


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