見出し画像

[レポート]海外での展示販売 in イギリス

前回のベトナム、前々回の台湾と、これまでのNEW TRADITIONALプロジェクトで生まれた商品を国外で展示販売してきたとりくみについてお伝えしてきましたが、今回3カ国目となる最後の国は、イギリス。
 
ご依頼したのは、ロンドンにあるジャパン・ハウス ロンドンさんです。

ジャパン・ハウス ロンドン
 
イギリスにある、日本の多様な魅力を紹介する施設。日本の工芸、アート、デザイン、映画、ファッション、建築、食べもの、イノベーションなど最高峰の日本文化を紹介。カフェ、日本食レストランや図書館を併設した施設では、常時、誰でもウェルカムな無料の企画展やイベントなども開催。これまで日本に興味を持っていなかった人々も含め、幅広い層に向けて活動を続けている。ロンドン以外にも、ロサンゼルスとサンパウロにも事業拠点がある。

ロンドンでの展示販売の経緯

もともと、ジャパン・ハウス ロンドンで販売物の企画を担当されていたのが、株式会社ウェルカムのみなさんでした。

株式会社 ウェルカム
 
「食とデザイン」をテーマに全国で事業を展開。
都市部で展開されているDean& Deluca やToday’s Special, HAYなどの生活を豊かにするおしゃれで世界観あふれるお店は、きっと一度は目にしたり、聞いたことがあるのではないでしょうか。

以前、ウェルカムの海外事業部の上野さん&加藤さんにはGood Job!センターやたんぽぽの家の商品を扱っていただいたご縁があり、今回、ご依頼。無事ロンドンで展示販売してくださる運びとなりました。

お二人は、以前行ったNEW TRADITIONAL展覧会にも足を運んでくださり、オンラインで打ち合わせを重ねるうちに、

「イギリスでも日本の伝統文化を深く理解し、それぞれのプロダクトの文脈を楽しめる人たちが増えてきた素地があるので、Good Job!のはりこなど、現代的なアレンジをされたものも受け入れられやすいのではないでしょうか」

という意見をくださいました。逆にいうと、まったく私たちの文化(伝統文化、日本文化など)を理解していない場所で紹介すると、今回のようなものづくりの価値を伝えるのはハードルが高いのかもしれません。
 
こうして、遠隔でのやり取りも経て、今回イギリスに送付したのは、張り子や土鈴、木の燭台です。

また、以前私たちが国内の展覧会で展示していた、工芸品をつくる際の道具や材料なども同送しました。

そして、「今後の海外展開の検討材料として、現地のお客さんや販売スタッフのみなさまの商品に対する率直なご意見をぜひ教えてください」とお願いをしました。

展示会中のロンドンでの反応

その後、現地でのディスプレイ写真と共に、嬉しい報告が届きました。

地下鉄ハイストリート・ケンジントン駅を出てすぐの場所に位置するジャパン・ハウス ロンドン。
近くにはユニクロや無印もある、地元の人たち御用達お買い物ストリート


空間設計はインテリアデザイナー片山正通さんによるもの。
ミニマムで意匠を凝らした内装設計は、よりものを美しく丁寧に見せてくれます


展示品の中でも、特に張り子や鈴の色やデザインがカラフルでかわいらしさに惹かれて、足を止めてみてくださる方が多いとのこと。

作品の制作背景の物語を興味深く聞いたあと、最終的にコンセプトもデザインも気に入って買ってくださった方も多くいたそうです。

(写真上)かわいらしい張り子。今年の干支である兎が特別なモチーフであることを説明し関心をもっていただいたそうです。
(右中)鬼の形をした土鈴「厄除鬼」

また蝋台やミツロウのろうそくも、スタッフのかたが説明をすると興味を持ってくださる方が多かったそう。

世界遺産でもある奈良の春日大社境内で育った古い杉の木から生まれた灯台。 
ストーリーを面白がってくれる方が多く、販売スタッフさんたちにも人気だったそう


この他にも

・張り子の持つストーリー性(障がいのある方々とクリエイ ターのプロジェクト)について説明したところ、犬の張子と鬼の土鈴「厄除鬼」が人気だった
・「厄除鬼」については「鬼が災いを退治する、厄除けの意味がある」ということを説明したことで、ギフトとして購入される方が多かった
・張り子、厄除鬼については見た目の可愛らしさや比較的手の届きやすい価格ということもあり人気
・一般的なキャンドルや燭台よりも価格は高いものの、そのストーリー性や希少性に魅力を感じた方に購入いただいた
・張り子はもっと大き目なものがあってもいい、という意見もあった

などの貴重なご意見をいただきました。

大きさについては、以前前回のベトナムも同じような意見があったのが面白いところです。
手乗りサイズの張り子を「小さくてかわいい」と思う方が多くいる一方で、
海外では「小さすぎる」と感じる人も一定数いるんですね。

ロンドンでもNEW TRADITIONAL(ニュートラ)で生まれたプロダクトは人気でした。今後も海外での展開も考えながら、活動を続けていきたいと思います。

ジャパン・ハウス ロンドンのみなさま、株式会社ウェルカムのみなさま
ご協力どうもありがとうございました!

協力:Good Job!センター香芝
助成:日本財団 「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?