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ネットフリックスCEOの言葉7選。「敵は存在しない。退屈と孤独以外にはね」

NewsPicksソーシャル編集部の櫻田潤です。昨年、NewsPicksではネットフリックスのCEO、リード・ヘイスティングスのインタビュー連載がありました。

本noteでは、その連載に出てくるリード・ヘイスティングスの言葉を7つ、背景とともにダイジェストでお届けします。

❶本業をしっかりやる

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「本業をしっかりやれば、ライバルに勝てる」なんて、夢がない地味な話だと思うかもしれません。

でも、まずは日常業務をエクセレントにやったうえで、それをエキサイティングにすることが、最高の改善なのだと思います。

── NewsPicks記事『本業をしっかりやれば、ライバルに勝てる』より

もともとDVD宅配レンタルをしていたネットフリックスは、設立してまもなく、その分野の王者ブロックバスターと激しい競争になりました。

その時、広告を出したり、中古DVDの販売をしてみたりといろんなことを試しましたが、振り返ってみると、オペレーションをしっかり回すといった本業をしっかりやったことが勝利の最大の理由になりました。

❷改良とイノベーションの違いを認識する

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たいていの時代は、既存のものを改良することが正しい戦略ですが、ごくまれに、すべてを一変するイノベーションが登場する。

その違いを正しく認識することがとても重要だと思います。


── NewsPicks記事『改良とイノベーションの違いを認識する』より

内燃エンジンの登場で、交通手段が馬から車に変わったように、スマホの登場でデジカメがiPhoneやインスタと戦わなくてはいけなくなったように、すべてを一変させるようなイノベーションが出てきた時にどうするかが明暗をわけます。

ネットフリックスは、DVD宅配レンタルのサービスを改善しながらも、動画ストリーミングの可能性を見逃しませんでした。一方、当時ライバルだったブロックバスターはDVD宅配レンタルから大きく舵を切ることはなく、機会を逸しただけでなく、2010年には経営破綻に追い込まれました。

❸敵は存在しない

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基本的には、楽しく元気にやろうという考えです。「打倒ジェフ・ビュークス(注:タイム・ワーナーCEO)」とか、「向こうが間違っていると証明してやる」なんて躍起になったりしません。そんなことどうでもいいですよね?

私たちがやりたいのは、今まで語られたことのないストーリーを語ること、世界を楽しませること、そして大きな成功を収めることです。

敵は存在しない。退屈と孤独以外にはね。私たちは最高のエンターテインメントをつくって、退屈と孤独を追放しようとしているのです。


── NewsPicks記事『人間はみんなユニーク、市場の人口は1人だけ』より

インタビューの聞き手が、リード・ヘイスティングスに対し、タイム・ワーナーCEOがバカにしたようなコメントをした際に怒らなかったのはなぜかと訊ねた時の答え。

ライバルを見るのではなく、ユーザーと社会に目を向けていることが伝わってきます。

❹才能のある人を集め、自由を与える

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全体として心がけているのは、「自由と責任」というコンセプトです。それがテクノロジー面でも、マーケティングでも、オリジナルコンテンツの製作でも非常にうまく働いてきたと思います。

素晴らしい才能を持つ人たちを大勢確保して、大きな自由を与えて、失敗する余地を与えることです。


── NewsPicks記事『適切な能力がある人を集めて、自由にさせる』より

ネットフリックスのカルチャーと言えば、価値観を明文化したカルチャーデックのスライドが有名です。

その根本にあるのは、「自由と責任」というコンセプトで、リード・ヘイスティングスは、才能のある人を集められれば、最低限のルールがあればうまくいくと考えています。

❺チームであって、ファミリーではない

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強いスポーツチームは、選手たちの間に温かい交流があるものです。新しいチームメートが入ってきたら、進んで手助けするなど、歓迎の姿勢をはっきり態度に示します。

でも究極的には、スポーツチームにとって最も重要なのは、それぞれの選手がどれだけ素晴らしいプレーができるか、つまりパフォーマンスです。

家族はお互いに無償の愛を注ぎます。兄弟が恐ろしいことをして刑務所送りになっても、家族愛は消えません。

それは社会において非常に重要な要素ですが、私たちが会社として目指す関係とは違います。


── NewsPicks記事『まあまあの仕事ぶりの人は、辞めてもらう』より

カルチャーデックに出てくる「We're team, not a family(私たちはチームであって、ファミリーではない)」という言葉について、リード・ヘイスティングスはこのように語りました。

❻休みは取りたいだけ取れ

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Netflixには、休暇に関するルールがありません。「休暇を取りたいだけ取れ」というポリシーです。

就業時間についても、9時から5時までといった決まりはありません。

スタッフは、自分が適切だと考える量だけ働く。そして私はたくさん休暇を取って、よき模範を示そうとしている。休暇は刺激にもなりますからね。


── NewsPicks記事『適切と考える量だけ働き、休暇を取りたいだけ取れ』より

ただし、リード・ヘイスティングス自身は、休暇と仕事の関係を完全に断つ必要性を感じていないため、休みの日も1日1時間くらいは会社のことをしているとも語っています。

完全な休暇にしたい人はそうすればよく、自分のパフォーマンスが最大化する働き方を求めています。

❼テクノロジーとコンテンツを組み合わせたい

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たんなるテクノロジー企業になるのではなく、テクノロジーとコンテンツをこれまでになくうまく組み合わせたい。

この2つのスキルの両方で最高になることを目指しており、そのために重点投資しています。ここシリコンバレーとロサンゼルスにもオフィスを構えているのは、その象徴だと思います。

テクノロジーとコンテンツの組み合わせが、Netflixを真にユニークな存在にしているのです。


── NewsPicks記事『今後は壮大なビジュアル作品に投資する』より

リード・ヘイスティングスは、アップルについて、テクノロジーとファッションを組み合わせるのがうまいと考えています。

どんなテクノロジー企業よりも優れたファッションセンスで、どんなファッション企業よりも優れたテクノロジーセンスがあると。

ネットフリックスの場合は、テクノロジーとコンテンツという2つの領域で最高を目指しています。

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以上が、NewsPicksに掲載されたリード・ヘイスティングスのインタビューの中から、僕が心に留めておきたいと思った言葉です。

特に、最後の「コンテンツ」×「テクノロジー」の話は、コンテンツクリエイターとして、心が躍ります。

なお、引用元のインタビューは有料記事となりますが、以下ページよりトライアル申し込みすることで、10日間無料でお楽しみいただけます。トライアル期間は、NewsPicksの有料記事・動画がすべて見放題となりますので、興味を持った方はこの機会にお試しいただけたらと思います。

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文・イラスト:櫻田潤(TwitterInstagram

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