【櫻田潤】「好き」を集める #NewsPicksアカデミアレター
NewsPicksアカデミア公式noteでは、毎週金曜日に運営メンバーからのメッセージをリレー形式でお届けしています。今回のテーマは『おすすめの動画』。NewsPicksのインフィグラフィック・エディターである櫻田が、フェルメールの絵から考えたことをベースに10/31放送のWEEKLY OCHIAI『芸術をアップデートせよ」について語ります。
こんにちは、NewsPicksの櫻田です。
先日、上野で開催中のフェルメール展に行ってきました。
フェルメールは寡作で37作品しか存在しません。そのうち10作品が世界各地から集められています。中でも話題性が高いのが『牛乳を注ぐ女』で、それにふさわしく会場の一番最後、トリで展示されていました。
たくさんの方がそこに集まる中で僕が今回注目していたのは別の作品です。この作品を見るためにフェルメール展に行ったと言えるのが、『手紙を書く婦人と召使い』。まずは下の絵を見てみてください(画像はパブリック・ドメインより)。
手紙を書く婦人の横に立つ女性の表情がなんとも言えません。目と口、それに腕の感じから、仕方なく主人が手紙を書くのに付き合っているように見えます。フェルメールが書く人物は、視線が絵の外まで飛び出ている感じがして、拡張現実のようだと感じます。
他の作品も、部屋の外側の世界、手紙のとどく先、キャンバスの外側にある何か、そして未来を感じさせてくれます。
その先にあるものが、幸福な未来か、不幸な未来かはわかりませんが、僕はキャンバスに収まらないフェルメールの絵に刺激を受けます。
僕たちNewsPicksは、スマートフォンを中心にしたメディアを運営しています。フェルメールの絵のように、僕たちもまたスマートフォンの外の世界に影響して、社会をよりよいものにできたらと思っています。
自分が何を好きで、何を嫌いなのかを知る
今回、アートの話を書いてみましたが、デザイナーなどクリエイター職ではない方からすると、センスや美意識は後天的に身につくのかが気になる点かと思います。
僕は、意識すれば鍛えられると考えています。30歳くらいまでの体験が重要だと思いますが、それ以降でも可能性はあります。大事なのは感じる心、感受性。
ちょうどWeekly Ochiai『芸術をアップデートせよ』の回を見ていたら、落合さんがアート性を高めるためにやるといいこととして、自分が好きなものを100個集めてみるといいと仰っていました。
誰にでもはじめられるすごくいい方法だと感じました。ふだん僕も、いろんなものをインプットする時に、好き嫌いの直感的な判断を大事にしています。
たとえば、フェルメール展に行ったときは、自分が好きな作品ベスト3を決める。映画を観に行ったら、好きなセリフやシーンをひとつ持ち帰るなど。好きを採集していくと自分が何を大事にしていて、何を目指していくのかクリアになり、のちの創作の源泉になるのを感じます。
この方法は、誰でもできると思っていますので、ぜひお試しを。
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