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FDMプリンタ用スライサー各種の紹介

汎用のスライサーとしてはCura、Simplify3D、Prusaslicerあたりが有名ですがもっとたくさんのスライサがあります。
それぞれ開発経緯であったり哲学が違うので、同じモデルを同じような設定でスライスしても結果が違います。
ついては備忘録として知りうるスライサの種類と特徴などを記しておこうと思います。スライサ選びの参考にでもどうぞ。

Cura

Ultimaker社が自社の3Dプリンターとサードバーティー用のスライサとして公開しているスライサです。
私の主力スライサでもあります。
かなりの種類のメジャーな3Dプリンタ用のセッティングがプリセットされているので、対応の物であればすぐ使用可能です。
設定変更可能な項目が200項目以上あり、印刷品質上のトラブルに対して詳細な対策が可能です。ただしきちんと設定項目の意味を理解すればですが....
無料で使えます。

Simplify3D

有料のスライサで最も有名かもしれません。
使ったことはありませんが、肉薄部の印刷にかなり強い印象です。
バージョン4.1から長らくアップデートが延期されているのが気になりますが、購入しても後悔はしないでしょう。

PrusaSlicer

Prusa i3シリーズで有名なPrusa Reserchのスライサです。
後述するSlic3rからのフォークで以前はSlic3r-PrusaEditionという名前でした。
基本的にはPrusa社のI3シリーズやMini、そしてSLAのPrusa SL1に最適化されていますが、他のプリンターでも使用可能です。最近は他社製プリセットの組み込みにも積極的なようです。
機能開発も盛んで、Prusaのプリンターが弛まぬ進歩を続けている部分の一つでもあると思います。
特に可変レイヤー厚みの機能がほかに比べて賢い!
Slic3rもそうですが、プリンタ設定/スライス設定/材料設定ときちんと分かれており、好きなプリンターの一つです。

Slic3r

読み方は「スリックスリーアール」らしいです。
つづりはSicerのギーク読みですね。
初体験のスライサはRepetier-Hostに統合されていたこのSlic3rでした。
3Dプリンタのブームを支えてくれた偉大なスライサと言えるでしょう。
現在は更新されていないようなので、フォークされたPrusaSlicerなどを使うと良いでしょう。

SuperSlicer

PrusaSlicerからのフォークプロジェクトのSuperSlicerです。
PrusaSlicerと比較しての特徴としては、まずはキャリブレーション用の機能が充実している事でしょう。
フィラメントのフロー、印刷温度、リトラクション量、ブリッジ時のフロー、アイロニングのキャリブレーション等の調整が簡単に実施可能になっています。

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特筆すべき機能が他にもあります。
Ear Brimです。先進的と言っていいでしょう。
反りやすいシャープエッジがある部分にディスク上のブリムをつける機能が実装されています。
もちろん同様のことをするモデリング・スライステクニックはありますが、この機能を使用すると非常に簡単に適用可能です。

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KISSlicer

KISS(Keep It Simple , Stupid/シンプルで愚直に保て!)💋💔
他のとはちょっと毛色が違うスライサです。
設定項目は少な目、というかマシンの仕様自体をスライスパラメーターとして、逆算してスライスをするという発想のようです。
このスライサをオススメしている3Dプリンタメーカーは少ないのですが。、Qholiaのプリンターはこれがデフォルトだそうです。
http://q-ho.com/products/Qholia/Qholia.php

Voxelizer

これもかなり面白いアプローチのスライサで、3Dモデルを内部でボクセル化してスライスします。
花瓶モードで複数のシェルラインで印刷ができるらしいので花瓶モードで強度が欲しい場合なんかにもいいかもしれません。

Matter Control

Pluseというセミオーダー3Dプリンタを作ってくれるMatterHackerが作っているスライサですが、Curaのフォークですが、簡単なモデリングもできるらしい?

ideaMaker

Raise3Dが作っているスライサーideaMakerです。
マルチノズル対応、可変厚みレイヤーなど高度な機能を備えていますし、様々な3Dプリンターで使用可能な柔軟性があります。
また、モデルの分割などもideaMaker上で可能なので、大きな造形物の分割印刷にも威力を発揮します。

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最後に

紹介した以外にも様々なスライサーが存在しますし、このような出来合いのソフト以外でスライスする手段も存在します。

スライサーの得意不得意によって使い分けると造形の悩みも解決するかもしれません。
その助けになれば幸いです。

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