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【有料記事】コロナで生じた「総合職」と「一般職」の大きな溝

 7月に入り世の経済活動がどこかしこで再開されている。テレワークなんてどこ吹く風と言わんばかりに朝夕のラッシュアワーは復活。週末には、久々の出勤を自らねぎらう企業戦士たちが飲み屋街を闊歩している。

 相変わらず新型コロナウイルスの感染者数は増加の一途だが、早くも企業の中には、〝コロナ見舞金〟なる臨時ボーナスを支給するところが出てきているという。

 とある建設資材系会社に勤務する東原大輔(仮名・20代)さんが話すには

「新型コロナウイルスの影響でテレワーク勤務に切り替えられなかった社員に出勤一日あたり2000円の手当が支給されることになりました。総務・人事部門などの管理部門やお客さんと携帯電話でやり取りのできる営業部門はパソコンと携帯さえあれば在宅仕事が可能かもしれません。ですが、会社の固定番号にかかってきる電話を通じて資材の注文を受ける『受注部門』は会社で受話器を取らないことには仕事にならないため、通常通りの出勤を余儀なくされていました」

 大企業を中心にリモートワークが今後も推奨されそうな気風があるが、接客を伴うサービス業では安易にリモートワークに切り替えられない現実がある。対面でないコールセンターのような注文形式を取っている会社も同様だ。

 ただし、在宅勤務が許される社員がいる一方でできずに出勤する社員がいると両者の間で亀裂が生じることになった。その溝を金で埋めようとしたわけだ。

「金額の大小に関わらず、見舞金が支給されることについては大賛成です。ただね・・・」と前出の東原さんは苦笑して続ける。

「一般職のみの支給なんですよ。同じ注文部門でも総合職の社員には支給されません。ちなみに古い慣習の残る会社なので一般職=女性、総合職=男性と言っても差し支えないと思います。しかも、三密状態を緩和するために注文部門の一般職は当番制が敷かれて毎日出勤していたわけではありません。それでも、給料は満額支給されていたのでかえって不公平さが強くなってしまいました」

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