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週刊ニュースdeディベート(β) 第4号 ウイグル製品をボイコットすべきか?でディベート!リモートが楽すぎて転職に踏み出せない、オリンピックに興味が持てない

// 週刊ニュースdeディベート(β)
// 2022年2月13日 第4号
// ニュースつまみ食い
// ニュースdeディベートについて
// 今週のお題 ウイグル製品をボイコットすべきか?
// 投稿コーナー(リモートが楽すぎて転職に踏み出せない、オリンピックに興味が持てない)

感想やお題に対するご意見などは
#newsdedebate
(ディベートは相手の意見を受け止める物なので、私たちのアカウントから論破!とかそういうことにはならないのでご安心ください。反応させて頂きます。)

こんにちは。ディベート賛否さんです。
先週も様々なニュースがありましたね。

●2021年末に引き続き関東を中心に大雪

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE100180Q2A210C2000000/

昨年末のような積雪にはならなかったものの、多くの人に影響がでましたね。くしくも、コロナ禍にあってテレワークができていない企業や職種をあぶり出すことになりました。

電力の逼迫度合いを示す使用率は通常、冬は80~90%前後だが、10日午前11時台に「厳しい」を示す96%に達した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE100180Q2A210C2000000/

とあるように、今年は電力供給が危うい状況が続いています。気候変動とエネルギー問題を強く意識させるニュースだと考えています。

それでは、今週もよろしくお願いいたします。

0.ニュースDeディベートって何?

「ニュースdeディベート」も4回目を迎えました。SNSを中心に情報が氾濫する現代社会、誰が正しいことを言っているのかわからない。多くのニュースメディアが、閲覧数を稼ぐために過激な見出しや極端な論調で人々を煽る。そんな社会を生きぬくための手がかりを私、ディベート賛否さんは「ディベート」に求めました。

ディベートは教育現場や企業研修などで徐々に導入されていますが、まだまだ一般的には認知されておらず、もったいないなと感じています。日々の生活で納得できる決定をし、日々のニュースを読み解くには「ディベート」の力が欠かせません。

毎号、その週に起こった主要ニュースを取り上げます。その中から特に賛否が分かれそうな物を題材とし、次の1週間で皆で議論していきましょう。

1.今週のディベーダブルなお題

ウイグル製品をボイコットすべきか?

 北京オリンピックという「平和の祭典」の話題で持ちきりな今日このごろ。五輪は、その裏で進行する「紛争」や「人権侵害」を覆い隠してしまう傾向にあります。前々回の記事で取り上げた「北京五輪の外交的ボイコット」とも関連しますが、今回はウイグル問題についてディベートをしましょう。

〜背景〜
背景として中国の新疆ウイグル自治区を中心としたエリアに住むウイグル族に対する弾圧が国際的に注目を集めており、対抗措置としてウイグル自治区の製品の不買運動が広がっています。結果、ナイキなど数々の有名ブランドが「ウイグル産の製品、素材を使わない」と表明しています。中国国内では、このような表明をしたメーカーに対する不買運動が起きています。今回は「ウイグル産の製品をボイコットすることの是非」について、道義性や実効性など、様々な角度から一緒に考えていきたいと思います。

〜ウイグル族への人権弾圧とされる現状の整理~
中国政府は公式に否定しているものの、長年懸念されていているのがウイグル族への人権侵害・弾圧です。監視カメラによる日常行動の監視・イスラム教徒にもかかわらずモスクに行くことができない・行動の記録を取られる・強制労働などのほか、弾圧や拷問の報告もあります。また、中国政府にとって好ましくない素行の人は更生施設へ送られ、習近平思想などの強制的な教育が実施されるとも言われています。ウイグル文化を発信・研究する人々への弾圧も行われている模様です。これらの動きに対し、ウイグル族の間でも不満があるものと思われますが、徹底した行動制限により暴動などの事件は近年抑えられています。

~不買運動の現状~
これらの動きに対し非難を強めているのが欧米諸国をはじめとする自由・民主主義を掲げる陣営です。長年の非難に加え、北京五輪の外交的ボイコットなどの施策を実施してきていますが、人々の間で広まっているのがウイグル製品のボイコット(不買運動)です。アメリカでは既にウイグル製品の流通を規制する法案が可決し、2022年6月に施行される予定です。既に多くの米国企業がウイグル製品の不使用を決め、消費者にアピールを始めています。米国に事業を展開する日本企業も、これに対する対策を迫られています。一方、中国はこのような動きに対する反発を強めており、ウイグル製品不使用を決めた外国企業に対する非難や不買が逆に発生している状況です。

不買運動は、どのような理由で行われているのでしょうか?それは「人権侵害が行われているエリアで作られた製品を買うこと」が「人権侵害や強制労働を通した部品・素材を継続的に作らせること」に直結し「人権侵害に購入者が加担している」という考え方から来るものです。こういった動きはSNSを通じて容易に広がることに加え、近年では原材料の産地や、労働者の労働環境などを踏まえた購買行動を取る消費者が増えています。このような「炎上」を大企業が見過ごすことは難しいのです。

~論点の整理~
①現状が許容できるのかどうか
なぜ、このような対立が発生するのでしょうか?まずは、ウイグル族と中国政府が思想的に異なることを前提として考える必要があります。ウイグル族はイスラム教を信仰する民族です。一方の中国政府は共産党の一党独裁体制を敷いています。民主主義の社会と異なり、社会主義体制の中国では様々な「価値観」「方針」などを市民に広く宣伝・推奨しており、宗教の協議と内容が相反してしまう事例が多く発生します。そのため宗教は共産党の指導を受け「中国化」すべきと明確に定められており、そもそも全宗教が共産党の支配下にあるのです。ウイグル族は中国の多数派の漢民族とは大きく異なるイスラム教の価値観を持っているため、政府からの監視の程度もほかの宗教よりより一層強くなっているという構造です。

②人権問題へのアクションとしての不買運動は正当なのか
巨大な人口や経済力を持つ中国に対して働きかけるのは容易ではなく、民主主義陣営には手段が限られているのも現状です。その手段の一つが「ウイグル製品の不買運動」です。つまり「人権問題を改善させる」という目的に対して他に取る手段がない場合、その手段に正当性を認めるという考え方もあります。

③不買運動の効果と副作用の比較
不買運動によって影響を受けるのにはまずウイグルの人々がいます。生産する製品が売れなくなるわけですから、短期的には生活が厳しい方向に傾くでしょう。また、ウイグル製品や素材を使っている企業にも風当たりはかなり強いです。特にウイグルは綿の生産地であることからアパレル業界への打撃は大きなものがあります。各グローバル企業が自社製品の原料や製品の生産地の確認や公表に追われ、ウイグル製品の不使用を公言すれば逆に中国国内で強い反発にあうという、大消費地中国と民主主義国のマーケットの狭間にあって難しいかじ取りを強いられています。また、ウイグルはレアアースなど貴重な資源の供給地でもあるため、企業にとってウイグルに全く頼らない生産活動は現実的ではない一面もあります。不買運動やその後の企業の対応によって人権問題の存在は印象付けられた感があります。ここからどのように実際にウイグルの人々の状況が良くなるかは、論理的に組み立てる必要があるでしょう。

~個人としてどう考える?~
ここまでウイグル製品の不買運動を巡る状況を見てきました。あなた自身は、この論点についてどう考えますか?あなたが経営者ならどうしますか?Twitter、コメント欄で一緒に考えていきましょう!

2.ディベート的投稿コーナー

リモートが楽すぎて転職に踏み出せない
こんばんは。みかみ(仮名)と申します。私はとあるSIerに勤めて3年になります。もともと対人関係が苦手で、転職を考えていた矢先にコロナ禍となり、転職タイミングを逃してしまいました。リモートで楽になったのですが、このまま漫然と仕事をしていていいのでしょうか。

-ディベート賛否さんの解答
以前より他の人の動きが見えにくくなっているだけで、動く人は動いていますよ。①積極的な人にとってはチャンスで、行動を起こせない人には更に言い訳ができた②様々な業界が変革しており新しいポジションが作られている、ことによります。裕福さは相対的、誰かの自由の裏では他の誰かが割りを食っているものです。Take action!

オリンピックに興味が持てない
2度目の投稿でございます。世間はなんだかんだオリンピックの話をしていますが、どうにも付いていけません。フィギュアスケートの選手は見るたびに顔ぶれが変わっているし、他の競技もオッサンにはよくわかりません。どうすれば興味を持つことができるのでしょうか。

-ディベート賛否さんの解答
なぜ「興味を持ちたい」と思うのでしょうか。そのモチベーションを掘り下げてみてください。「興味を持つ方法」が浮かぶかもしれませんし、もしかしたら「興味をもちたい」のではなく「職場の不満を他で解消したい」「非日常的なものを求めているだけ」という可能性もあります。現状の問題があり、目指したい状態がある。それを達成するためにその方法が適切なのかを考え抜く。これはディベート的な思考法です。

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作者 : ディベート賛否さん / 週刊ニュースdeディベート
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