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週刊ニュースdeディベート(β) 第5号 選択的夫婦別姓なんかでいいのか?でディベート!交換日記は何を「交換」していたか、PCどれがいいか

// 週刊ニュースdeディベート(ベータ版)
// 2021年2月20日 β版第5号
// ニュースつまみ食い
// ニュースdeディベートって何?
// 今週のお題 選択的夫婦別姓なんかでいいのか?でディベート
// 投稿コーナー (交換日記は何を「交換」していたか、PCどれがいいか)

感想やお題に対するご意見などは
#newsdedebate
(ディベートは相手の意見を受け止める物なので、私たちのアカウントから論破!とかそういうことにはならないのでご安心ください。反応させて頂きます。)

こんにちは。ディベート賛否さんです。
先週も様々なニュースがありましたね。

●ウクライナ情勢が予断を許さない状況となっています。大戦の引き金になるのは小さな「事件/事変」であることも多いのです。東欧の情勢はもちろんのこと、我々としては中国や北方領土周辺海域の動向にも注意しなければなりません。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220215-OYT1T50255/

●わずか15歳のロシア・フィギュアスケートのワリエワ選手を巻き込んだドーピング問題。最終的に決勝戦に出場しましたが4位に終わりました。不調に終わった演技の後にはコーチから厳しい叱咤も。若い選手に対するスポーツ界としての接し方についてはまさにディベートを呼んでいます。国を背負わせすぎるのも困り物ですね(トホホ)

●ワクチン3回目が1日100万回のペースに乗ってきました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220215/k10013484741000.html

このペースであれば4月ごろには多くの方にワクチンが行きわたりそうです。すでにピークアウトし始めたオミクロン株がさらに抑えられるとよいですね。

それでは、今週もよろしくお願いいたします。

0.ニュースDeディベートって何?

「ニュースdeディベート」も4回目を迎えました。SNSを中心に情報が氾濫する現代社会、誰が正しいことを言っているのかわからない。多くのニュースメディアが、閲覧数を稼ぐために過激な見出しや極端な論調で人々を煽る。そんな社会を生きぬくための手がかりを私、ディベート賛否さんは「ディベート」に求めました。

ディベートは教育現場や企業研修などで徐々に導入されていますが、まだまだ一般的には認知されておらず、もったいないなと感じています。日々の生活で納得できる決定をし、日々のニュースを読み解くには「ディベート」の力が欠かせません。

毎号、その週に起こった主要ニュースを取り上げます。その中から特に賛否が分かれそうな物を題材とし、次の1週間で皆で議論していきましょう。

1.今週のディベーダブルなお題

選択的夫婦別姓なんかでいいのか?

ここ数年盛んに議論されている「夫婦別姓」。2021年最高裁にて「合憲」の判決が出たものの、裁判所の見解は「国会で議論してね」ということで決着がついたわけではありません。残念ながら国会やSNSで「噛み合った」議論を目にすることはほとんどありませんでした。反対派の意見は綺麗にまとまっていません。賛成派については「モラル的、政治的に正しい」ように聞こえるものの、果たして彼らが目指す社会を実現するのに「選択的夫婦別姓」が効果的なのかどうか、肝心な分析が欠けているように見受けられます。多くの皆さんに何らかの形で影響するであろうこの制度について、一緒に考えていきましょう。結婚とは?

~選択的夫婦別姓制度について~
現行の民法では、結婚時に夫婦は同じ氏を名乗らなければならないと規定されています。「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」のです。これを改正し「希望する夫婦についてはそれぞれ結婚前の氏を名乗ることを認める」のが選択的夫婦別姓です。法務省においては1991年から議論が続けられています。原案としてはほぼ固まっており、制度として実現可能です。あとは政治的な調整を行っていく段階となっています。「選択的」ではありませんが、韓国などではすでに夫婦別姓制度が採られています。婚姻届提出時に、子供がどちらの姓を名乗るかを決定します。

~実は多い反対派~
選択的夫婦別姓の世論調査の結果は、いかにも賛成が多いように伝えられがちですが、実態は異なっています。内閣府が2017年に実施した世論調査では、下記のようになっています。

・夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべき 29.3%,
・希望している場合には,婚姻前の名字(姓)を名乗ってもかまわない 42.5%,
・婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても,夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが,婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては,かまわない 24.4%

長い文言が並んでいますが、2番目が「賛成」ということですね。マスコミではこの42.5%を取り上げて賛成派が多いとしていますが、これは誤りです。1番目の選択肢は「明確に反対」3番目の選択肢も「反対」には違いなく、合計すると53.7%となっており賛成派を上回ります。賛成4割、反対5割という民意が拮抗しながらも反対が多く、実施に至らない実態がありそうです。

~賛成派の主張~
まずは賛成派の主張を見ていきましょう。前提として、現状は95%の夫婦が男性側の姓を名乗っており、姓の変更を行っている多くは女性である点に留意が必要です。

・社会的な不利益
→職場では、名前を変更するとそれまで積み上げてきた評判が失われる可能性があるため、多くの人が通称名として結婚前の姓を名乗っています。一見問題がないように見えますが、会社内では実名で書かなければならない書類等もあり、手続きは煩雑です。また、身分証や契約関係の変更もかなり手間です。そして、資格に関しても結婚前の取得時点と結婚後で苗字が異なるので、本人であると証明する必要が出てきます。このように、社会生活を送る上で姓の変更には様々な不利益があるとされています。

・アイデンティティの問題
→生まれてからずっと一つの姓を名乗って生きてきたにも関わらず、結婚を機に自分の名前を変えなければならない。名前が個人の重要なアイデンティティである以上、変更を強制されることは大きな苦痛となりえます。「苗字に思い入れはない」「名前があるじゃないか」とお考えの方もいるでしょうが、「個人差があり、精神的苦痛が多い人が一定割合存在する」ことがポイントです。

このように、結婚後も姓が変わらないことによるメリット(あるいは結婚後に姓が変わることによる社会的不利益や不便さ、精神的苦痛)は一定あると言えそうです。

~反対派の主張~
続いて反対派の主張です。「伝統的家族観」に根差した主張が主となっています。
・夫婦で同じ姓を名乗る制度は日本に定着してきた制度である
・夫婦で同じ姓を名乗ることが家族の一体感を高め、子供の成長にも良い影響を与えてきた

選択的夫婦別姓制度により(たとえ選択的であったとしても)社会全体として達成されてきた一体感が破壊されるという主張です。「社会秩序が壊れ」「社会的な不安感が増し」「一部の人は精神的苦痛を覚える」という流れです。このような制度改革に伴う社会変革については「移行のコストに社会や個人が耐えられるか否か」「移行後の社会に着地できるか否か」を検討する必要があります。

~「夫婦別姓制度」と「家族観」は本当に関係あるのだろうか?~
ここで立ち止まって考えてみましょう。この議論は「男女共同参画」や「伝統的家族観」の文脈で語られがちです。しかし、そもそも本当に夫婦別姓制度と家族観や男女平等に直接の関係があるのでしょうか?現状は、95%の夫婦が男性側の姓に合わせていますが、仮にこれが現行制度のまま、男性/女性に合わせる夫婦が半々の世界になったら、今の反対派はどう思うでしょうか?仮に選択的夫婦別姓が実現しても、夫婦別姓を選択する夫婦がごく少数で、しかも子供の姓は結局9割以上が男性側を名乗るのが実態となったら、賛成派はどう思うでしょうか?「制度施行により多くの夫婦が夫婦別姓を喜んで選択するであろう」という暗黙の前提を置いてしまってはいないでしょうか?

  賛成派、反対派どちらも、「男女平等」「家族観」が夫婦別姓制度で変化するという淡い期待を重ねてはいないでしょうか?本当に「男女平等」を達成するなら、現状95%の夫婦が男性側の姓に合わせていることの原因を考えなければならないですし、「伝統的家族観」が仮に明治維新後に形成された、男性の家長を中心とする「家」なのだとすると、それは現行の夫婦同姓制度だけでは守ることができません。

 制度が変わるのが先なのか、社会の常識が変わるのが先なのか、という問題はどの政策にも付きまといます。しかし、選択夫婦別姓制度には、制度の変更による効果があまりに強調されているように思えてなりません。仮に制度変更しても、95%の夫婦が男性の姓を選ぶ現状の背景・常識に対して疑問を投げかけない限り、いくら夫婦別姓を選択できても社会は大きくは変化しないのです。

~おわりに~
選択的夫婦別姓制度、皆さんはどう考えますか?コメント、Twitterで一緒にディベートしていきましょう!

2.ディベート的投稿コーナー

小学校の「交換日記」とは何を交換していたのでしょうか?
はじめまして。アラサー主婦です。私が小学生の頃、交換日記が流行っていました(今もあるのかな?)楽しかったと記憶していますが、今思えば日記を書いて交換するのも変な話です。結局あれは何だったんでしょうか?何か日記以外の物を交換していた気がします。

-ディベート賛否さんの解答
「日常」を交換していました。意外と学校というものは時間がないものですし、家でどんなことがあった、何を思ったなどいう機会もないものです。もちろんコミュニケーション手段であり、グループのメンバー資格のような機能もあったでしょう。SNSよりも、紙の日記のようなローテクの方がむしろ書く際にも管理にも慎重になる分よかったのかもしれないですね(笑)

春から大学生なのでPCを買いたいと思いますがどれがいいですか?
高校でディベートをやっている者です。入試が終わり、大学の準備をしています(大学でもディベート部に入ろうと思います!)PCを新調しようと思うのですが、おすすめはありますか?(追伸:いつも楽しく読ませていただいています。ディベート練習の論題の参考にさせてもらっています。)

-ディベート賛否さんの解答
M1Macでメモリ16MB以上にしましょう。文理問わず「プログラミングをする機会がある」と考えるべきです。むしろできるようになってください。あなたが現役ディベーターなら親を説得できるはずです。「メリット > コスト」基本のキです。検討を祈ります。

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作者 : ディベート賛否さん / 週刊ニュースdeディベート
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