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集会を潰されて逆ギレ 同胞に銃を向ける赤シャツ

 その後、暴力沙汰の反政府集会は1年ほど収まるが、2013年暮れに再び起きる。タクシンの妹インラクが率いる政権なので、反政府として騒ぐのは反タクシン、ここでは分かりやすく黄色と呼ぶが、黄色だけでなくタクシン支持の赤シャツも騒ぎ出して赤黄が衝突した日もあった。

 2013年11月30日。インラクをこき下ろす黄色が騒ぎ出して赤シャツも黙っていられなくなり、バンコク東方のスポーツスタジアム、ラーチャマンガラ・スタジアムで集会を開くと言い出した。同スタジアムは2008年に大掛かりなタクシン支持集会があり、赤シャツの結束が確認された場所でもある。その記念すべき場所に再集結してインラク支持を確認し合う、という今でなくともいい集会だった。

 赤シャツは黄色と比べるとやはり、地方出身者が多い。集会は祭り気分で各地から乗り合いのバンや自家用車をパレードのようにタラタラ運転して集まってきて、赤でも黄色でもない一般のバンコク都民を巻き込んだ渋滞を引き起こす。それが迷惑だとは思いもしない、主役気取りの者たちが多数派なので、ラーチャマンガラ・スタジアム周辺はとんでもない無秩序状態に陥る。

野次馬のフリをして騒ぎをスマホに収める海軍特殊部隊の隊長

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