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参加者を魅了するタクシン個人攻撃の話術

 反タクシン集会は当初、タクシン個人への攻撃に特化していた。後にタクシンが国を追われ、逃亡先から親タクシン派政権を操るようになると、攻撃対象はタクシン支持の政治家や実業家に広がっていくが、当初はパンタミット代表であるソンティの「タクシンけなし」が集会のメインイベントだった。参加者は日当欲しさに集まっていたが、ソンティの話術に魅せられていたのも事実。それは、タイ人並みにタイ語を理解しない我々外国人が聞いても、前後関係を理解していれば十分に「楽しい」話し方だった。
タイ人にいわせると、
「ソンティは女たらしだから、話がうまくて当然」
となる。ソンティは、事業では資金繰りに苦労し、プライベートでは愛人を何人も囲う、というだらしなさだったらしい。「女たらし=話し上手」という図式が正しいか否かは分からないが、とにかくソンティは口八丁手八丁で聞き手を丸め込んでいた。

ソンティの話に魅了される集会参加者

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