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主催者も参加者もメディアも雑魚寝、連日夜通しで続く集会

 2006年2月4日に1万人を集めたパンタミットの反タクシン運動は、その後どんどん過激になっていった。2月下旬には旧国会議事堂前から(タイで最も格式高い広場である)王宮前広場に場所を移し、それに伴って参加者をどんどん増やしていった。しかし集会を何度開いたところで、タクシンを首相の座から引きずり下ろすことができない。集会は連日夜通しというハードスケージュールとなり、主催者は24時間「出し物」を考え、参加者も従順に観続け、メディアも律儀に追いつづけ、主催者も参加者も記者も集会場で雑魚寝という状態だった。

 これでは埒(らち)が明かない、相当に疲れた、ということで首相府、日本でいう首相官邸での座り込みが決まる。直前まで夜通し騒いだ3月14日の明け方、王宮前広場を出発し、数万人の規模の行進が始まった。パンタミットのリーダーの1人が更新の最中、「50万人行進が実現された!」と宣言していたが、いくら何んでも大げさに思えた。

雑魚寝の記者

雑魚寝の参加者

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