日系メディアの文句は言えず……、タイのメディアはタクシン嫌い

　一言で言ってしまうと、「タイのメディアはタクシン嫌い、だから赤シャツも嫌い」。一連の赤シャツ騒ぎをとおして、「メディアは（反タクシン）政権寄り」という批判が相次いでいたが、別に政権に媚を売っていたわけではなく、自ら厳しい報道を続けていたに過ぎない。タクシン寄りのメディアは「Voice TV 21」ぐらい、タクシンの金で立ち上がった局だから当然といえる。

　タイのメディアがタクシン嫌いなのは当然。就任当初より、ささいな批判や単なる冗談でさえ許せずにムキになり失言を繰り返していたタクシンを、メディアが好くわけはない。タイ南部国境県のテロ絡みで行方不明になったままの弁護士については、「死んでいると思う」と他人事のように答えるくせに、自分の子どもが大学に裏口入学したと噂されると、「かわいそうだから止めてくれ」とカメラの前で涙ぐむ。2014年のクーデター以降、首相を続けるプラユットもメディアを罵倒する短気さだが、誰に対しても直球しか投げないその性格は、メディアにも国民にも好かれている。

ルイヴィトンの店の前がゴミだらけ