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実銃から水鉄砲へ、赤シャツだって水遊びしたい

 多数の死傷者を出した衝突から3日後、タイはソンクラーン(タイ正月、水かけ祭り)に入った。あれだけの騒ぎを起こしておきながら、赤シャツも水かけ祭りを満喫したいのだ。日々の反政府デモは日当をもらって暴れるだけの「労働」であり、正月ぐらい遊びたいのだ。こちらはそんな赤シャツの取材を続けなければならず、ソンクラーンは2年連続で機材を担いで写真を撮り歩く「労働」となった。

 バンコク都心部の主要交差点を封鎖して、何ともぜいたくな水かけ祭りを展開。そのために渋滞が発生し、行きたい場所にも遠回りしなければたどり着けない都民は、赤シャツの存在に辟易し、水を掛け合ってはしゃぎまわっている姿を映し出すテレビニュースに八つ当たりしていた。

 赤シャツは仲間内で水を掛け合うだけでは飽き足らず、赤い服を着たまま外に繰り出していった。水かけ祭りの名所といえば、外国人も多く集まるゴーゴーバーで有名なパッポーン(パッポン)通りや、バックパッカーの聖地カーオサーン(カオサン)通りなどだが、そんな場所にのこのこ出ていく赤シャツもいた。日本でいう「KY」。

水かけ祭りに繰り出す赤シャツの車

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