バンコク都心部で銃撃戦、一般国民が平然と軍を狙い撃つ国
フラットの住民、いわゆる一般都民が赤シャツに立ち向かったことで、陸軍が前進を決断した。一国を守るべき軍隊が国民の後を追うようではしょうがないのだが、「致し方ない」という意見もある。軍隊や警察の組織を知る人間に言わせると、
「現場の指揮官というのは階級的に少佐や中佐といった佐官、年齢的にも若ければ30代後半。人命にかかわる命令を出すには相当な勇気がいる」。
とにかく、陸軍の部隊は一気に数百メートル進んだ。赤シャツが逃げ去った後には、火炎ビンがごろごろと残っていた。その先には逃げ遅れた赤シャツが1人、倒れている。フラットの若者たちに追いつかれ、袋叩きに遭ったのだ。赤シャツを追う兵士たちも、倒れた奴を蹴飛ばしたいというのが本音だろうが、さすがに立場をわきまえている。幹部の兵士が「大丈夫だ」と声をかけながら介抱していた。米国の戦争映画で、徹底的に攻撃した後に負傷した相手を懸命に手当てするシーンがあるが、あれに似ている。
突然の銃声にうろたえる兵士たち。消防士たちは何とか放水を続けている
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