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Chapter 9 辺り一帯が火事、翌日さらに爆破事件

 パッターニーで銃撃テロを取材した翌日、朝からパッターニー市内を歩く。前日にテロ取材を2件こなしているので、気分的には楽。地元のオヤジしか来ない茶店でのんびりと朝食、海岸まで行って遠浅の海を歩いたり、海沿いの集落の何軒かに上がり込んでみたり、また市内に戻ってきてアイス屋に入ってみたりと、と観光客気分で昼過ぎまで時間をつぶした。

 することもないのでまたもやコーヒーショップに入り、いい加減長居したのでそろそろ出ようかと勘定を頼んだタイミングで隊長から電話、
「ヤラーででかい爆発があったが行くか」
と聞いてきた。管轄が違うから「行くから来い」ではない、「行きたいなら連れてってやる」という意味だ。

 行くから待ってて、といってすぐに詰所に戻る。連れのカメラマンと昨年ヤラーの連続爆破事件を取材したのが4月7日。一日違いで今年もまた爆破事件。「同じパターンで行動すれば、同じパターンでテロが起きるだろう」というだけの取材だったが、ピンポイントで予想が当たったことにな

 遠くに黒煙がもくもくと立ち上がっている。連続爆破だという。管轄外なので救急車はかなり離れた場所に停まった。歩くには遠いのでもう少し近づいてくれるかと頼むと、レスキュー隊員はヤラー市のレスキュー隊に無線で連絡、記者を連れているのでそちらの管轄地区に入ると伝える。連絡先は前年の取材で同行した、顔見知りが多いレスキュー隊だった。

辺り一面が燃え尽きた爆破テロ

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