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有名人が続々登場、タクシン引きずり下ろしに一致団結

 ソンティはパンタミットの反タクシン集会に、数多くの有名人を引っ張り出してきた。そのトップは何といってもタクシンの政治的師匠である「ジャムロン・シームアン」だろう。「退役陸軍少将」「元首相秘書官長」「元副首相」「元バンコク都知事」などといくつもの肩書きを誇る人物。元首相秘書官長として従えた首相はプレーム・ティンスラーノン。元陸軍司令官で、ラマ9世(プミポン国王)を長い間支えた枢密院議長でもある。タクシンは2006年のクーデターで海外逃亡を余儀なくされて以降、プレームをことあるごとに批判。これが反王室的な言動とみなされ、反タクシン勢力からさらなる圧力を受けることになった。

 ジャムロンは「サンティアソー」クというタイ仏教新興宗派をバックボーンに政党「パランタム党」を結成、1995年の選挙でバンハーン・シーラパアーチャー(首相)率いる国民党と連立を組み、党首に立てていたタクシンを副首相(バンコク交通担当)として内閣に送り込んだ。タクシンはこのとき、交通渋滞を半年だかで解消すると豪語。「道路を広げれば車の走りは良くなる」と口にした。金を払えば土地は買えるというビジネス的な発想だ。ところが、都内主要道路わきの一等地を保有しているのが一般人であるわけはない。貴族の子孫だったり実力者だったり。金をちらつかされて「はいはい」と簡単に手放すどころか、「生意気な奴がしゃしゃり出てきた」ということになる。タクシンはこのころすでに、いわゆる既得権益者たちから嫌われていたと思われる。

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