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きっかけは住民の赤シャツ攻撃、陸軍がようやく行動

 午後3時ごろ。赤シャツの1人がタンクローリーに近づいてノズルを緩める。中身のガスらしきものが1~2秒、「シューーーッ」と放出される。こちらはタンクローリーの100メートルほど手前、路上に放置されたタクシーの後ろに隠れているが、
「あいつら本気か? ここにいたら吹き飛ばされるぞ」
と叫ぶ年配カメラマンと一緒に後ずさり、陸軍兵士が待機しているさらに100メートル後方に走って逃げる。隊列を組んでいた兵士数十人も、「本当に火を付ける気か?」
といった感じで、のそのそと後退した。タンクローリーまでざっと200メートル近くはあるが、一緒に走って逃げてきた年配カメラマンが、
「ここにいても爆発に巻き込まれるけどな」
と、息切れでハアハアしながら笑っていた。

 「ふざけるな!」
と本気で怒り出したのは、目の前にタンクローリーを停られたフラットの住民。爆発して吹き飛ぶのはタンクローリーだけではない。自分たちが住んでいる部屋も巻き添えになる。赤シャツがタンクローリーのノズルを緩めるのを見ていたフラットの若者たちがとうとうキレて、数十人で赤シャツ目指して走り出した。

ようやく強制排除に動き出した陸軍兵士

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